
【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)

【▲ わし星雲(M16)にある柱構造の全景(Credit:ESA/Hubble & NASA, K. Noll)】

【▲ アメリカ航空宇宙局(NASA)のX線宇宙望遠鏡「Chandra(チャンドラ)」の打ち上げ25周年を記念して作成された「わし星雲」の“創造の柱”の画像。チャンドラの観測データ(赤、青)の他に、「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope: JWST)」による赤外線観測データ(赤、緑、青)が使用されている(Credit: X-ray: NASA/CXO/SAO; Infrared: NASA/ESA/CSA/STScI; Image processing: NASA/CXC/SAO/L. Frattare)】
(引用元:NASA)
わし星雲(M16)といえば「創造の柱」を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、今回ご紹介するのは、同じわし星雲にある別の柱構造です。ガスと塵から成るこの柱は約9.5光年もの高さがあるとされ、これは地球から最も近い恒星系「アルファ・ケンタウリ(プロキシマを含む)」までの距離の約2倍強に相当します。
Source
- Image Credit: ESA/Hubble & NASA, K. Noll
- NASA - Hubble Spies Cosmic Pillar in Eagle Nebula

柱のように見える部分は、ガスと塵が集まってできた冷たい分子雲です。分子雲では、物質が高密度に集まった部分が自身の重力で崩壊することで、新しい星が形成されます。誕生したばかりの若い星はまだガスや塵に包まれていますが、やがて周囲の物質を吹き払い、柱のすぐ外側にある星々のようにその輝きを宇宙に放ち始めます。
今回の画像は、ハッブル宇宙望遠鏡が2004年に撮影した観測データを再処理し、2025年4月18日に新たに公開されたものです。宇宙にそびえる巨大な柱は、星が生まれる現場の迫力を私たちに伝えてくれますね。

編集/sorae編集部