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オリオン座で青く輝く星のゆりかご ESOの望遠鏡が捉えた反射星雲「M78」

こちらは、反射星雲「M78(Messier 78)」。オリオン座の方向、約1350〜1600光年先にあります。

MPG/ESO 2.2m望遠鏡で観測した反射星雲「M78」(Credit: ESO/Igor Chekalin)
【▲ MPG/ESO 2.2m望遠鏡で観測した反射星雲「M78」(Credit: ESO/Igor Chekalin)】

日本では冬の代表的な星座として知られるオリオン座。その有名な「三つ星」のすぐ近くに位置するM78は、青色に輝く神秘的で美しい天体です。

星の光で青く輝く反射星雲

ESO(ヨーロッパ南天天文台)によると、M78は近くにある高温の星(主に「HD 38563A」および「HD 38563B」の2つ)の光を、宇宙空間に漂う微小な塵(ダスト)の粒子が反射・散乱することで輝いて見えます。

波長の長い赤色の光よりも、波長の短い青色の光のほうが効率よく散乱されるため、M78は印象的な淡い青色をしています。

暗黒の帯と若き星々の産声

ラ・シヤ天文台(チリ)のMPG/ESO 2.2m望遠鏡で取得した可視光線のデータを使って作成されたこの画像には、青い輝きの他にも印象的な特徴が捉えられています。

画面の左上から右下にかけて斜めに伸びる黒い帯のようなものは塵を多く含んだ暗黒星雲で、背後からの光がさえぎられています。画像の右下付近に見えるピンク色の複雑な構造は、誕生したばかりの星から噴き出した物質のジェット(細く絞られた流れ)によって形成されたものだといいます。

また、M78の内部には「おうし座T型星」と呼ばれる、まだ中心部で本格的な水素の核融合反応が始まっていない段階の若い星が45個ほど確認されています。これらは星が生まれる初期段階を理解するための重要な研究対象です。

星雲の奥深くを赤外線で観測

このように塵に覆われた星雲の奥深くは、人間に見える可視光線では覗き込むことができません。そこで活躍するのが、波長の長い赤外線です。次に掲載するのはESOが2016年に公開した画像で、パラナル天文台(チリ)のVISTA望遠鏡を使って近赤外線で観測されたM78とその周辺の様子です。

VISTA望遠鏡で観測した反射星雲「M78」(Credit: ESO)
【▲ VISTA望遠鏡で観測した反射星雲「M78」(Credit: ESO)】

ESOによると、近赤外線は塵にさえぎられにくい性質があるため、VISTA望遠鏡は星雲の深部を捉えることができます。この画像では、可視光線では見えなかった赤色や黄色に輝く無数の若い星々が、塵の中から姿を現していることがわかります。

静かな芸術作品のようなM78ですが、その内部では次々と新しい星が産声を上げているダイナミックな環境です。様々な波長を利用した観測(多波長観測)を行うことで、私たちは宇宙の美しいグラデーションと、生まれたばかりの若き星々の息吹、その両方を見ることができるのです。

M78を捉えた1点目の画像は2011年2月16日付で、2点目の画像は2016年10月5日付で、どちらもESOから公開されました。

本記事は2021年1月3日公開の記事を再構成したものです。

 

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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参考文献・出典