3つの宇宙望遠鏡などで観測した“くじら座”の渦巻銀河「M77」

こちらは、渦巻銀河「M77(NGC 1068)」。

くじら座の方向、約5000万光年先にあります。

M77は、X線や電波など強い電磁波を放射する狭い領域「活動銀河核(AGN)」が中心部にある銀河のひとつとして知られています。

渦巻銀河「M77(NGC 1068)」。チャンドラX線宇宙望遠鏡(Chandra)、ハッブル宇宙望遠鏡(HST)、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)、カール・ジャンスキー超大型干渉電波望遠鏡群(VLA)の観測データを使用して作成(Credit: X-ray: NASA/CXC/SAO; Optical/IR: NASA/ESA/CSA/STScI (HST and JWST); Radio: NSF/NRAO/VLA; Image Processing: NASA/CXC/SAO/J. Schmidt and N. Wolk)
【▲ 渦巻銀河「M77(NGC 1068)」。チャンドラX線宇宙望遠鏡(Chandra)、ハッブル宇宙望遠鏡(HST)、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)、カール・ジャンスキー超大型干渉電波望遠鏡群(VLA)の観測データを使用して作成(Credit: X-ray: NASA/CXC/SAO; Optical/IR: NASA/ESA/CSA/STScI (HST and JWST); Radio: NSF/NRAO/VLA; Image Processing: NASA/CXC/SAO/J. Schmidt and N. Wolk)】

画像は、「ハッブル宇宙望遠鏡(HST)」「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)」「カール・ジャンスキー超大型干渉電波望遠鏡群(VLA)」、それにX線宇宙望遠鏡「チャンドラ(Chandra)」の各観測データを組み合わせて作成されました。

スミソニアン天体物理観測所のCXC=チャンドラX線センターによると、チャンドラは時速約160万kmの風を吹かせているM77中心部のブラックホール周辺から放射されたX線を捉えています。

可視光線だけでなく、赤外線、電波、X線といった異なる波長を用いる多波長観測は、天体の特徴をより詳しく調べる上で欠かせません。

銀河の星・ガス・塵(ダスト)の分布をはじめ、星形成活動やブラックホールの活動といった銀河の環境も示したこの画像は、チャンドラを運用するCXCから2025年7月23日付で公開されています。

 

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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参考文献・出典