こちらは「みずがめ座(水瓶座)」の方向約8億光年先の銀河「LEDA 193192(2MASX J22361103+0124304)」です。一見すると地球に対して正面を向けた渦巻銀河に思えますが、明るい中心部分の周囲には渦巻腕(渦状腕)ではなく、3重のリング構造が広がっていることがわかります。
リング構造を持つ銀河はめずらしい
国立天文台(NAOJ)によると、銀河はその形態をもとに「渦巻銀河(中心に棒状構造を持つものは棒渦巻銀河)」「楕円銀河」「レンズ状銀河」に分類されていて、そのどれにも当てはまらない不規則な形態の銀河は「不規則銀河」と呼ばれています。大半の銀河はこのどれかに分類できますが、銀河のなかには規則的な形態をしているにもかかわらず、どの分類にも当てはまらないものがあるのだといいます。
その一例が環状銀河(リング銀河)です。環状銀河はその名の通りリング状の構造を持つ銀河で、銀河どうしの衝突・合体が原因だとする説が有力視されています。国立天文台はLEDA 193192について、3つのリングがあるように見える極めてめずらしい銀河として紹介しています。
冒頭の画像は国立天文台ハワイ観測所の「すばる望遠鏡」に設置されている超広視野主焦点カメラ「Hyper Suprime-Cam(HSC、ハイパー・シュプリーム・カム)」を使って撮影されたもので、国立天文台から2024年11月6日付で公開されています。
- 巨大なリング構造が印象的な“うお座”の極リング銀河「NGC 660」すばる望遠鏡が撮影(2024年10月21日)
Source
- NAOJ - 3重リング銀河(2MASX J22361103+0124304)
文・編集/sorae編集部
#すばる望遠鏡