ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した“おとめ座”の渦巻銀河「NGC 5668」
【▲ ハッブル宇宙望遠鏡(HST)の掃天観測用高性能カメラ(ACS)で撮影された渦巻銀河「NGC 5668」(Credit: ESA/Hubble & NASA, C. Kilpatrick)】

こちらは「おとめ座(乙女座)」の方向約9000万光年先の渦巻銀河「NGC 5668」です。地球に対して正面を向けた位置関係にあるNGC 5668は、明るい中心部分とその周りに広がる渦巻腕(渦状腕)の様子を観測しやすい銀河です。

ハッブル宇宙望遠鏡(HST)の掃天観測用高性能カメラ(ACS)で撮影された渦巻銀河「NGC 5668」
【▲ ハッブル宇宙望遠鏡(HST)の掃天観測用高性能カメラ(ACS)で撮影された渦巻銀河「NGC 5668」(Credit: ESA/Hubble & NASA, C. Kilpatrick)】

NGC 5668では1952年4月、1954年4月、2004年1月に超新星が見つかっており、このうち2004年の「SN 2004G」は大質量星が起こすタイプの「II型超新星」だったとみられています。II型超新星は進化した大質量星内部の核融合反応によって鉄のコア(中心核)が生成されるようになった頃、核融合のエネルギーで自重を支えることができなくなったコアが崩壊し、その反動によって恒星の外層が吹き飛ぶことで爆発に至る現象だと考えられています。

この画像は「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope: HST)」の「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」で取得したデータをもとに作成されました。ハッブル宇宙望遠鏡によるNGC 5668の観測は、II型超新星が発生する環境をより深く理解するための研究の一環として2024年2月に実施されています。

冒頭の画像は“ハッブル宇宙望遠鏡の今週の画像”として、欧州宇宙機関(ESA)から2024年9月9日付で公開されています。

 

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文・編集/sorae編集部