X線観測衛星「XMM-Newton」がとらえた星雲「IRAS 00500+6713」。中心には「J005311」と呼ばれる星が存在する。(Credit: ESA/XMM-Newton, L. Oskinova/Univ. Potsdam, Germany)

X線観測衛星「XMM-Newton」がとらえた星雲「IRAS 00500+6713」。中心には「J005311」と呼ばれる星が存在する。(Credit: ESA/XMM-Newton, L. Oskinova/Univ. Potsdam, Germany)

この画像は、欧州宇宙機関(ESA)のX線観測衛星「XMM-Newton」がとらえた星雲「IRAS 00500+6713」のX線での観測データをもとに作成されています。宇宙の塵やガスから構成される「雲」が星雲です。「IRAS 00500+6713」がX線の波長で強く輝くのは、この「雲」の主成分であるネオン(Ne)ガスが原因だといいます。

「IRAS 00500+6713」の中心には、非常に速い恒星風を伴う星「J005311」が存在します。2019年に初めて発見された「J005311」は、2つの白色矮星が衝突することで誕生したとみられています。

白色矮星の質量には太陽の約1.4倍という上限があります。白色矮星同士が合体してその上限値を超えるとIa型超新星になるか、あるいは崩壊して中性子星になるかのどちらかだと考えられています。先行研究では中心星「J005311」がX線の波長で強く輝く天体であることは分かっていましたが、白色矮星の質量の上限量を超える天体だということしか明らかにされていませんでした。

ドイツ・ポツダム大学のLidia Oskinova氏が率いる研究グループは改めて星雲「IRAS 00500+6713」全体のX線での観測データを収集した結果、衝突した2つの白色矮星が主にネオンで構成される星雲を形作っていることを明らかにしました。この観測結果は、「J005311」がIa型超新星や中性子星のどちらでもなく、白色矮星同士が衝突したのちも崩壊することなく状態を保っている新種の天体であることを示唆するといいます。

ただし、星雲の中心に残る新種の天体「J005311」は非常に不安定な状態であるため、1万年以内に崩壊して中性子星に落ち着くだろうと予想されています。

 

関連:白色矮星どうしの合体で誕生した「重い白色矮星」150光年先に確認

Image Credit: ESA/XMM-Newton, L. Oskinova/Univ. Potsdam, Germany
Source: ESA, Phys.org, Nature, Astronomy & Astrophysics
文/Misato Kadono

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