
アメリカ企業のAxiom Space(アクシオム・スペース)は2025年6月4日、ISS=国際宇宙ステーションへの民間有人宇宙飛行ミッション「Ax-4」の宇宙船打ち上げを2025年6月11日以降に行う予定であることを発表しました。
Ax-4はAxiom Spaceによる4回目の有人宇宙飛行ミッションです。4名のクルーはアメリカ企業SpaceX(スペースX)の「Crew Dragon(クルードラゴン)」宇宙船でISSに向かい、最大14日間にわたって科学実験などに従事します。
Ax-4の宇宙船打ち上げは、早ければ日本時間2025年6月11日21時00分に予定されていましたが、SpaceXは日本時間同日午前に打ち上げの一時中断を発表しました。地上燃焼試験後に液体酸素のリークが確認された「Falcon 9(ファルコン9)」ロケット1段目を修理する時間を追加で確保するためとされていて、新しい打ち上げ目標日時は修理が終わってから発表されるということです。【最終更新:2025年6月11日10時50分】

コマンダーは元NASAのPeggy Whitsonさん
Ax-4のミッションコマンダーはAxiom SpaceのPeggy Whitsonさんが務めます。WhitsonさんはNASA=アメリカ航空宇宙局の宇宙飛行士だった人物で、2023年5月に実施された「Ax-2」ミッションでもコマンダーを務めました。NASA在籍中はISSの長期滞在を3回行ったことがあり、今回のAx-4は5回目の宇宙飛行となります。Ax-2ミッションまでの通算宇宙滞在時間は675日間です。
インド・ポーランド・ハンガリーの宇宙飛行士が参加
残る3名はいずれも今回が初の宇宙飛行です。インドのShubhanshu ShuklaさんはISRO=インド宇宙研究機関の宇宙飛行士で、同国初の有人宇宙飛行計画「Gaganyaan(ガガンヤーン)」の宇宙飛行士4名に選ばれています。ポーランドのSławosz Uznański-Wiśniewskiさんは2022年にESA=ヨーロッパ宇宙機関(欧州宇宙機関)の宇宙飛行士に選抜されました。ハンガリーのTibor Kapuさんは2023年に同国の宇宙飛行士プログラムに選抜されています。
インド、ポーランド、ハンガリーの3か国は、かつて旧ソ連時代に「Soyuz(ソユーズ)」宇宙船で各国初の宇宙飛行士が有人ミッションに参加したことがあります。今回のAx-4ミッションは、インドにとって1984年以来、ポーランドにとって1978年以来、ハンガリーにとって1980年以来で、いずれも2回目の有人宇宙飛行となります。
文・編集/sorae編集部
関連記事
- ISSへの民間有人宇宙飛行ミッション「Ax-4」は2025年5月以降に実施予定(2025年4月3日)
- 民間主導のISS滞在ミッション「Ax-3」に参加した4名が地球に無事帰還(2024年2月14日)
- 民間主導のISS滞在ミッション「Ax-3」打ち上げ成功 ISSに無事到着(2024年1月22日)