
(引用元:NASA)
火星にある様々な痕跡
アメリカ航空宇宙局(NASA)が公開している「Mars Perseverance Raw Images」では、火星探査車「Perseverance」が撮影したRAW画像を日々更新しています。今回ご紹介するのは、Perseveranceのミッション第215週にあたる2025年3月23日に、マストにある右のナビゲーションカメラ(Left Navigation Camera)で撮影された1枚です。
※…2025年3月23日はPerseveranceのミッション1454ソル目にあたります。1ソル(Sol)は火星の1太陽日を指し、地球時間で約24時間40分に相当します。
- Image Credit: NASA/JPL-Caltech/ASU
- NASA - Mars Perseverance Sol 1454: Right Navigation Camera (Navcam)
火星の地表には、大小さまざまな岩が散乱しています。今回の画像を見ると、風によって運ばれた砂や岩の形状から、かつてここに水が流れていたかのような情景が想起されます。一方で、整然と並んだ幾何学的な模様のようにも見え、まるで過去に何かが存在していたかのような印象も受けます。
しかし、現在の研究では、これらは火星の過酷な環境下で風化や侵食が進んだ結果として形成された、ごく自然な地形であると考えられています。Perseveranceは、このような場所で岩や砂の成分を詳しく分析し、火星における生命の痕跡を探査しています。
火星探査車Perseveranceとは
Perseveranceは、NASAが2020年に火星に送った探査車で、火星の地質や気候の調査、古代生命の痕跡の探索、将来の有人火星探査に向けた技術実証を目的としています。

ナビゲーションカメラについて
ナビゲーションカメラ(Navcam)は、Perseveranceのマストに搭載されている2つのカメラ「Mastcam-Z」の両隣に配置された、走行を補助するためのカメラです。Perseveranceが火星の表面を安全に走行できるよう、進行方向を決めたり周囲の地形を把握したりする際などに利用されます。
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編集/sorae編集部