
(引用元:NASA)
水の痕跡?火星のひび割れた岩
アメリカ航空宇宙局(NASA)が公開している「Mars Perseverance Raw Images」では、火星探査車「Perseverance」が撮影したRAW画像が日々更新されています。今回ご紹介するのは、Perseveranceのミッション第212週にあたる2025年3月2日に撮影された1枚です。
※…2025年3月2日は、Perseveranceのミッション1433ソル目。1ソル(Sol)は火星での1太陽日を指し、約24時間40分に相当します。
- Image Credit: NASA/JPL-Caltech/ASU
- NASA - Mars Perseverance Sol 1433: Right Mastcam-Z Camera
今回の画像は、Perseveranceの「Mastcam-Z」右カメラによって撮影された火星の地表を捉えています。平らに広がる岩には、地球でも見られるような網目状のひび割れが多数走っており、かつて火星に水が存在した可能性を示唆します。さらに、長い年月をかけて堆積したと考えられる砂や小石が、岩と岩の隙間を埋めるように入り込んでいる様子も確認できます。
こうした地形を詳細に調べることで、火星の過去の環境や気候変動の過程を探る手がかりが得られると期待されています。
火星探査車Perseveranceとは
Perseveranceは、NASAが2020年に火星に送った探査車で、火星の地質や気候の調査、古代生命の痕跡の探索、将来の有人火星探査に向けた技術実証を目的としています。

Mastcam-Zについて
Mastcam-Zは、Perseveranceのマストに搭載されている2つのカメラシステムで、主に火星の地形や岩石を立体的に撮影することができます。2012年8月に火星に着陸した火星探査車「Curiosity」に搭載されたMastcamから改良が加えられており、Mastcam-Zは最大4倍のズームが可能となっています。
なお、NASAによるとMastcam-Zの「Z」は、Zoomを意味するものだといいます。

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編集/sorae編集部