![2025年2月8日の火星の風景:ドリルで掘った穴と車輪【今日の宇宙画像】](https://sorae.info/wp-content/uploads/2025/02/Mars_Perseverance-sol1412.jpg)
(引用元:NASA)
Perseveranceが掘った穴(右上)と車輪(左下)。
アメリカ航空宇宙局(NASA)が公開している「Mars Perseverance Raw Images」では、火星探査車「Perseverance」が撮影したRAW画像が日々更新されています。今回ご紹介するのは、Perseveranceのミッション第208週にあたる2025年2月8日に撮影された1枚です。
※…2025年2月8日は、Perseveranceのミッション1412ソル目。1ソル(Sol)は火星での1太陽日を指し、約24時間40分に相当します。
- Image Credit: NASA/JPL-Caltech/ASU
- NASA - Mars Perseverance Sol 1412: Right Mastcam-Z Camera
今回の画像は、Perseveranceのマストに搭載されている「Mastcam-Z」の右カメラを用いて撮影された火星の地表です。
画像の右上に見える丸い穴は、ロボットアームの先端にあるドリルを使って岩石や土壌のサンプルを採取するために掘削されたもので、その周囲には掘削作業によって表面に積もった塵や粉末が白っぽく見えています。
Perseveranceは、複数箇所でこのような掘削を行い、採取したサンプルを保管容器に収め、火星表面に配置していきます。(※)これらは、将来計画されているサンプル・リターン・ミッションによって、地球へ持ち帰る予定です。
※…今回の採掘について、サンプルを保管容器に収めたかどうかは公表されていません。
火星探査車Perseveranceとは
Perseveranceは、NASAが2020年に火星に送った探査車で、火星の地質や気候の調査、古代生命の痕跡の探索、将来の有人火星探査に向けた技術実証を目的としています。
![火星探査車Perseveranceに搭載されている観測装置の位置を示した図。Mastcam-ZとSuperCamはどちらもPerseveranceのマスト、通称“ヘッド(頭)”と呼ばれる部分に搭載されている(Credit: NASA/JPL-Caltech)](https://sorae.info/wp-content/uploads/2023/10/Perseverance-NASA-JPL-ROVER_Instrument_Labels.jpg)
Mastcam-Zについて
Mastcam-Zは、Perseveranceのマストに搭載されている2つのカメラシステムで、主に火星の地形や岩石を立体的に撮影することができます。2012年8月に火星に着陸した火星探査車「Curiosity」に搭載されたMastcamから改良が加えられており、Mastcam-Zは最大4倍のズームが可能となっています。
なお、NASAによるとMastcam-Zの「Z」は、Zoomを意味するものだといいます。
![火星探査車Perseveranceのマスト部分の拡大画像。Mastcam-ZとSuperCamの設置場所がわかる](https://sorae.info/wp-content/uploads/2024/11/Mastcam-Z-Perseverance.jpg)
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編集/sorae編集部