
(引用元:NASA)
火星の大地から見上げる眩しい太陽
アメリカ航空宇宙局(NASA)が公開している「Mars Perseverance Raw Images」では、火星探査車「Perseverance」が撮影したRAW画像を日々更新しています。今回ご紹介するのは、Perseveranceのミッション第213週にあたる2025年3月9日に、マストにある左のナビゲーションカメラ(Left Navigation Camera)で撮影された1枚です。
※…2025年3月9日はPerseveranceのミッション1440ソル目にあたります。1ソル(Sol)は火星の1太陽日を指し、地球時間で約24時間40分に相当します。
- Image Credit: NASA/JPL-Caltech/ASU
- NASA - Mars Perseverance Sol 1440: Left Navigation Camera (Navcam)
眩しい太陽の光を捉えたこの画像は、普段紹介している火星の風景とは異なり、カメラのホワイトバランスの影響で空が淡い緑がかった色に見えています。しかし、実際の火星の昼間の空は薄いオレンジ色から赤褐色の色合いを帯びています。地表には、いつもと変わらない荒涼とした風景が広がり、小さな岩や砂に覆われた平坦な地形が続いています。よく目をこらすと遠方に低い丘が見えますが、これはPerseveranceが探査している「ジェゼロ・クレーター」の一部と考えられます。
また、画像の下部にはPerseveranceの後部に取り付けられた「RTG(Radioisotope Thermoelectric Generator:放射性同位体熱電気転換器)」らしき部分が写っています。
火星探査車Perseveranceとは
Perseveranceは、NASAが2020年に火星に送った探査車で、火星の地質や気候の調査、古代生命の痕跡の探索、将来の有人火星探査に向けた技術実証を目的としています。

ナビゲーションカメラについて
ナビゲーションカメラ(Navcam)は、Perseveranceのマストに搭載されている2つのカメラ「Mastcam-Z」の両隣に配置された、走行を補助するためのカメラです。Perseveranceが火星の表面を安全に走行できるよう、進行方向を決めたり周囲の地形を把握したりする際などに利用されます。
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編集/sorae編集部