
(引用元:sorae 宇宙へのポータルサイト)
こちらは、木星探査機「ガリレオ(Galileo)」が600万km離れた場所から撮影した「地球と月」です。
- Image Credit: NASA
- sorae - ガリレオ探査機はどのようにして「地球上の生命」を発見したか? カール・セーガンの「実験」
- The Conversation - Carl Sagan detected life on Earth 30 years ago – here's how his experiment is helping us search for alien species today
1989年10月、アメリカ航空宇宙局(NASA)の木星探査機「ガリレオ」が打ち上げられました。木星に到達するのに十分な速度を得るため、ガリレオは太陽系内を何度か周回し、地球や金星をフライバイ(接近通過)して加速する必要がありました。冒頭の画像は、そのフライバイ時に取得された撮影データをもとに作成されたものです。
この地球観測データをもとに、カール・セーガン率いる科学者チームは、地球上の生命の兆候を検出する実験を実施しました。ガリレオには生命探査専用の機器は搭載されていませんでしたが、地球大気中の水蒸気や液体の水、さらには高濃度の酸素とメタンを検出し、生命活動の可能性を示唆するデータを得ました。さらに、撮像カメラのデータから、特定の波長の光が吸収されていることが確認され、これは光合成を行う植物の存在を強く示唆するものでした。
この実験は、既知の情報に頼らず、観測データのみから生命の存在を推測する方法の有効性を示し、現在の系外惑星の生命探査にも重要な示唆を与えています。
※1…カール・セーガン(Carl Sagan、1934 – 1996):アメリカの天文学者。バイキング、ボイジャー、ガリレオなどの惑星探査計画に携わり、『コスモス』やSF小説『コンタクト』などの著作でも有名。
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編集/sorae編集部