NASAが「火星から撮影した地球と月」という、珍しい画像を公表しました。
地球の中央に見えるのがオーストラリア、上部の赤い箇所が東南アジア、左下が南極です。その他の明るく見える箇所は雲です。火星から地球と月が近くに見えるときに撮影された、珍しい画像になっています。
火星探査機「マーズ・リコネッサンス・オービター(MRO)」によって昨年11月20日に撮影されたこの画像は、画像内の地球と月の部分を別々に処理しています。月は地球と比べると非常に暗いため、地球と同じ明るさで表示しようとすると見えなくなってしまうのです。
画像を撮影したMROのカメラである「HiRISE」は口径50cmの反射望遠鏡をレンズとして搭載した高解像度カメラです。普段は火星表面を観測していますが、今回は月面の光の反射情報を利用してセンサーの補正を行う「月較正」を目的とし、地球と月の画像を撮影しました。
MROは2005年に打ち上げられ、2006年より火星の周回軌道で観測を行っています。HiRISEは2007年にトラブルを起こし観測が危ぶまれましたが、原因は特定され、現在でも火星の鮮明な画像を地球に送り続けています。
Image Credit: NASA
Source: Earth and Moon Seen from Mars in November 2016 , NASA