(引用元:NASA ジェット推進研究所(JPL))
こちらは、アメリカ航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所(JPL)が2020年9月18日に公開した『土星の衛星エンケラドゥスの赤外線全球画像』です。土星探査機カッシーニに搭載されていた可視・赤外マッピング分光光度計(VIMS:Visible and Infrared Mapping Spectrometer)が取得したデータをもとに作成された疑似カラー画像となっています。
画像の上段左は「エンケラドゥスの進行方向の半球」、上段中央が「土星に面している半球」、上段右が「進行方向とは反対側の半球」を示しています。地球の月と同様に、エンケラドゥスは常に同じ面を土星に向けながら公転しているため、進行方向やその反対側にも常に同じ面が向いています。また、下段は左が北半球、右が南半球です。
エンケラドゥスの南極周辺には「タイガーストライプ」と呼ばれる氷の地殻に平行に生じた亀裂が存在しており、地下の海からの水蒸気や氷の粒が噴出しているとみられています。下段右(南半球)の画像を見ると、タイガーストライプ周辺の表面が新しい氷に覆われていることを意味する赤色で示されていることがわかります。
土星探査機カッシーニとは
カッシーニは土星とその環や衛星を詳しく観測するために開発されたNASAの探査機です。全長は6.8mで、地球から遠く離れた土星を探査することから直径4mの高利得アンテナを備え、電源には放射性同位体熱電気転換器を採用。科学機器としてカメラ、分光計、宇宙塵分析器、磁力計、レーダーなどが搭載されていました。これらの機器類に加えてカッシーニには、土星の衛星タイタンに着陸するESAの着陸機「Huygens(ホイヘンス)」も搭載されていました。
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編集/sorae編集部