(引用元:sorae 宇宙へのポータルサイト)
- Image Credit: ESA/Webb, NASA & CSA, O. Nayak, M. Meixner
- sorae - ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が捉えた美しき星形成領域「N79」
こちらは、soraeが2024年1月28日の記事内で紹介した『大マゼラン雲のHII領域「N79」の一部を捉えた画像』です。この画像はジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の中間赤外線観測装置(MIRI)で取得したデータをもとに作成された疑似カラー画像となっています。
HII領域はガスと塵を材料に新たな星が形成される現場であることから星形成領域とも呼ばれており、“星のゆりかご”と表現されることもあります。可視光線で観測すると、若い大質量星から放射された紫外線によって電離した水素ガスが放つ光で赤やピンクに見えます。
(略)
ガスだけでなく塵も高い密度で集まっている分子雲は可視光線を遮ってしまいますが、ウェッブ宇宙望遠鏡が捉える赤外線は塵に遮られにくいため、内部の様子を探ることが可能です。画像の中央やや上では若く明るい星が輝いていて、針のような放射状の光(※)を伴う様子に神秘的な美しさを感じます。画像にはこの明るい星以外にも、分子雲の中にある幾つかの明るい光点が写っているのがわかります。
※…この光は回折スパイク(diffraction spike)と呼ばれるもので、望遠鏡の構造によって生じます。たとえば「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope:HST)」の場合はシンプルな十字形の回折スパイクが生じますが、ウェッブ宇宙望遠鏡の場合は主鏡を構成する六角形のミラーセグメントと副鏡を支える3本の支柱によって生じた回折スパイクが組み合わさった独特な形をしています。
(元記事より引用)