

7月、まだ梅雨の湿気が残る空に、少しずつ夏の星座が上り始める時季となりました。
7月の星空の代表といえば、やはり「さそり座」でしょう。
南の空の低い位置に、星がS字カーブを描いています。これが長いしっぽをくねらせたさそり座の星の並びです。
胸に当たる場所に、1等星のアンタレスがあります。アンタレスは「火星の敵」という意味で、火星と赤い色を競い合うかのように輝くために名づけられました。
さそり座の東側には「いて座」があります。6つの星がひしゃくに似た形に並んだ「南斗六星」が目印です。北の目印である「北斗七星」によく似た形です。
南斗六星の柄のあたりが、天の川が最も濃く見える部分です。天の川は無数の星からできており、望遠鏡を使うと小さな星々に分かれて見えます。
天の川を北上すると、東の空に夏の大三角の星々を見ることができます。大三角を作る3つの星は全て1等星で、西寄りの星が「こと座」のベガ、南東の星が「わし座」のアルタイル、北寄りの星が「はくちょう座」のデネブです。
このうち、こと座のベガが織姫星、わし座のアルタイルが彦星にあたります。天の川の両脇に輝く2つの星の様子が、川を隔てて暮らす夫婦の姿に例えられています。
日本では七夕の日に、たらいに水を張って2つの星を水面に映し、水を揺らして2つの星を近づける風習がありました。日本人らしい繊細な感受性がうかがえるとともに、かつては水に星の光を映せるほど、星空が美しかったのだと驚かされます。
天の川のきらめきに彩られる七夕星には、本当に願いをかなえてくれそうな神秘性があります。7月の空を見上げて、星に願いをささやいてみてはいかがでしょうか。
※…星座や天体の見える方角や位置関係は2025年7月15日21時頃のものです。

地球の遠日点通過
2025年7月4日は、地球が太陽から最も遠ざかる「遠日点」を通過する日であり、この日、地球と太陽の距離は年間で最大となります。
遠日点通過の日は多少の誤差はあるものの、毎年7月4日前後です。逆に、太陽に最も近づく近日点の通過日は、1月4日前後となります。
このように地球と太陽間の距離が変化するのは、地球が楕円軌道を描いて太陽の周りを回っているためです。これは地球に限らず、他の惑星にも共通する特徴です。
地球における近日点と遠日点の距離の違いは約500万kmで、これは平均距離の約3%に相当します。このように差が小さいのは、地球の軌道は真円に近い楕円であるためです、たとえば、同じ太陽系の惑星でも水星の場合、近日点と遠日点では太陽との距離に約41%もの差があります。
「地球に季節や気候の変化があるのは、太陽からの距離が変わるからだ」と思われがちですが、この通り、1年で太陽から最も遠ざかる遠日点通過の時期には、日本は夏を迎えます。
季節の変化が起こる本当の理由は、地球の自転軸が傾いた状態で公転しているためです。この傾きによって、太陽の光が当たる角度や時間が季節ごとに変化し、温度にも違いが生じます。
地球において季節の違いを生み出すのは、太陽の「距離」ではなく、「光の当たり方」なのです。
しかし、もし地球が水星と同じく大きくつぶれた楕円軌道であった場合、太陽からの距離の変化も気候に影響を与えていたでしょう。その場合、気候の変化はもっと複雑になっていた可能性があります。
地球は太陽からの距離が適度であり、また軌道上の位置によってその距離が大きく変化することもありません。 こうした安定した環境が、地球における生命の維持と発展を可能にしているともいえるでしょう。
文・編集/sorae編集部
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参考文献・出典
- 国立天文台 - ほしぞら情報 東京の星空・カレンダー・惑星(2025年7月)
- 天文年鑑2025 天文年鑑編集委員会編著 誠文堂新光社
























