こちらは「ケンタウルス座」の方向約1100万光年先にある銀河「ESO 174-1」です。霞んだ雲のような姿をしたESO 174-1は全体がぼんやりと輝いており、塵を含んだ暗い紐状の構造が明るい中心部分を横切るように広がっています。
この画像は「ハッブル宇宙望遠鏡」の「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」で取得したデータ(可視光線と近赤外線のフィルターを使用)をもとに作成されています。欧州宇宙機関(ESA)によると、ハッブル宇宙望遠鏡によるESO 174-1の観測は、天の川銀河から10メガパーセク(約3260万光年)以内に存在する近傍の銀河すべてを観測するためのキャンペーン「Every Known Nearby Galaxy」の一環として2020年2月に実施されました。
この観測キャンペーンでは153個の銀河を対象に、2019年から2021年にかけてハッブル宇宙望遠鏡による観測が行われています。ESAによると、天の川銀河の隣人とも言える近傍の銀河の観測は、天文学者が様々な銀河に存在する星の種類を断定し、宇宙の局所構造をマッピングする上で役立つということです。冒頭の画像はハッブル宇宙望遠鏡の今週の画像として、ESAから2023年6月26日付で公開されています。
Source
- Image Credit: ESA/Hubble & NASA, R. Tully
- ESA/Hubble - Hubble checks in on the neighbours
文/sorae編集部