2015年11月にNASAなどの土星探査機カッシーニ によって撮影されたタイタンの画像。赤外線の観測データによる合成画像になります(Credit:NASA)

【▲2015年11月にNASAなどの土星探査機カッシーニ によって撮影されたタイタンの画像。赤外線の観測データによる合成画像になります(Credit:NASA)】

アメリカのコーネル大学は10月18日、コーネル大学教養学部の天文学准教授アレックス・ヘイズさんが参加する研究チームが、土星の衛星タイタンに存在するメタン(有機物)の河川の地図の最終版(the final maps)を作成したと発表しました。

研究チームによれば、今回の地図は、将来的に、NASAが進めているタイタン探査ミッション、ドラゴンフライミッションによって得られるデータをよりよく理解するために役立つだろうといいます。

今回発表されたタイタンにあるメタンの河川の地図。下の画像はその一部の拡大図。存在の確実性に応じて着色されています。緑は最も確実。赤は最も不確実(Credit: 論文より引用)

【▲今回発表されたタイタンにあるメタンの河川の地図。下の画像はその一部の拡大図。存在の確実性に応じて着色されています。緑は最も確実。赤は最も不確実(Credit: 論文より引用)】

土星の衛星タイタンは、直径が5149kmほど(地球の4割ほど)もあり、太陽系でも2番目に大きな衛星になります。厚い窒素の大気に覆われ、メタンが地球のおけるのように循環しています。メタンの雨が降り、メタンの川や湖、海ができ、蒸発して、また、メタンの雨になります。これは、タイタンの表面温度は-180℃ほどで、メタンの融点と沸点の間にあるためです。

研究チームは、今回、カッシーニのデータ(Synthetic Aperture Radar images)を使って、タイタンにあるメタンの河川の地図の最終版を作成しましたが、カッシーニのデータは解像度が低く、画質も良くありませんでした。そこで、研究チームは、地球上のよく似た河川系統の地図をさまざまな解像度、画質のデータを使って作成するなど研究を重ね、ようやく今回の最終版の地図の作成にこぎつけました。

研究チームによれば、この地図の作成によって、タイタンの表面におけるメタンの循環について理解が深まるだろうといいます。

そして、NASAがおこなうドラゴンフライミッションでは、2027年打上げ、2034年到着の予定で、空飛ぶ探査機ドラゴンフライ(Dragonfly=トンボ)をタイタンに送り込み、タイタンにおけるメタンの循環や生命に関する探査などをおこないます。

ヘイズさんは「今回作成された地図は、ドラゴンフライによる地域的に限定された成果をタイタン全体の文脈で理解するために役立つだろう」とコメントしています。

 

Image Credit: NASA/論文より引用
Source: コーネル大学プレスリリース論文
文/飯銅重幸(はんどうしげゆき)

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