側面から見る宇宙の花火:渦巻銀河NGC 3432

NGC 3432」と呼ばれるこの銀河は、こじし座の方向約4500万光年先に位置する渦巻銀河です。

横に歪んで伸びる様な不思議な天体は、地球からの視点で真横を向いていることに加え、近くに位置する矮小銀河「UGC 5983」による重力の相互作用を受けている為。そして、この視点からでは渦巻腕の形状は把握しにくく、銀河核は隠されてしまっています。

また、銀河の所々に見られる爆発しているかの様な赤い箇所は、Hα線で捉えた星形成領域。この活発的な星形成領域は銀河の相互作用による影響であり、側面から見るアングルでは銀河の全域が星形成領域に囲まれているかの様に見えます。

この画像は、ハッブル宇宙望遠鏡の掃天観測用高性能カメラ「ACS」の2種類の可視光波長によって捉えられたもので、2019年7月29日に公開されました。

なお、「NGC 3432」と「UGC 5983」は特異銀河の天体カタログ「アープ・アトラス」にArp 206として収録されています。

 

Image Credit:ESA/Hubble & NASA, A. Filippenko, R. Jansen
https://www.spacetelescope.org/images/potw1930a/