「黒い月」準惑星マケマケに存在 ハッブル宇宙望遠鏡の観測が明かした新たな姿

太陽の周りを周回する「準惑星」の仲間には冥王星も含まれますが、その中の一つに数えられるのが「マケマケ」です。ハッブル宇宙望遠鏡の観測によって、このマケマケに“MK 2”と呼ばれる黒い月が存在していることが明らかになりました。

準惑星マケマケと黒い月の想像図
【▲ 準惑星マケマケと黒い月の想像図(Credit:NASA, ESA)】

マケマケは2005年に発見された、まだ比較的新しい天体です。分類としては冥王星型天体(プルートイド)に属し、その直径は冥王星の約50〜75%程度と推定されています。名前の由来はイースター島の神様「マケマケ」から取られたもので、その神秘的な響きも注目の的となっています。

直径160kmの衛星“MK 2”

今回発見されたMK 2は、直径が約160kmとかなり小型の衛星です。地球の月の直径が約3500kmであることを考えると、その小ぶりさがわかりますね。マケマケから約2万1000kmほど離れた軌道を周回しており、両天体はエッジワース・カイパーベルト(海王星軌道より外側の領域)に位置しています。

なぜ月の存在が10年以上もわからなかった?

マケマケは光の大部分を反射する、非常に明るい天体として知られています。さらに月(MK 2)の位置が、ちょうどマケマケの正面か裏側付近に隠れやすかったことも重なり、マケマケ発見から10年以上経ってようやく衛星の存在が確認されました。私たちが住む太陽系の中でも、まだまだ未知の事実がたくさん残されているのです。

MK 2の質量や由来は、これからの観測によって詳しく調べられる予定です。さらに、同衛星の存在は、マケマケの表面温度が場所によって異なる理由を解き明かす大きな手がかりになるかもしれません。今後も新たな発見が期待されるマケマケとその衛星。果たしてどんな秘密が隠されているのでしょうか?

 

編集/sorae編集部

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参考文献・出典