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日本郵船と海洋スタートアップが「洋上宇宙インフラ」構築で協業拡大 打ち上げから回収まで

株式会社Oceanic Constellations(オーシャニック・コンステレーションズ)と日本郵船株式会社は2026年5月21日、洋上からのロケット打ち上げや再使用ロケットの回収など、海洋を活用した宇宙関連事業(洋上宇宙インフラ事業)の実現に向けた協業覚書を締結したと発表しました。

両社の協業はこれが3段階目にあたります。2025年6月に再使用型ロケットの洋上回収で最初の覚書を締結し、2025年12月には洋上回収の統合シナリオ検証システムに関する開発契約を締結しました。今回は回収にとどまらず、打ち上げを含む洋上宇宙インフラ事業全体へ協業の範囲を広げた形です。

ロケットの射場や地上局は陸上の限られた場所に集中しており、打ち上げ方位や安全区域の確保などで制約が生じることがあります。洋上を活用できれば、こうした制約を補い、宇宙輸送や衛星通信、帰還物資の回収における運用の柔軟性を高めることが可能です。

Oceanic Constellationsが掲げる「ニュー・オーシャン戦略」の概要。省人化・無人化、融合、領域横断という3つのNEWを軸に、海洋産業の高度化と新産業創出を目指す(Credit: Oceanic Constellations)
【▲ Oceanic Constellationsが掲げる「ニュー・オーシャン戦略」の概要。省人化・無人化、融合、領域横断という3つのNEWを軸に、海洋産業の高度化と新産業創出を目指す(Credit: Oceanic Constellations)】

両社の強みを掛け合わせたアプローチ

日本郵船は2024年12月20日にJAXAの宇宙戦略基金事業に海運会社として初めて採択され、2025年4月に研究開発の開始を発表しました。三菱重工業と連携して再使用型ロケットの洋上回収船の研究開発を進めており、2025年7月には洋上回収システム全体のコンセプト承認(AiP)を日本海事協会(ClassNK)から取得しています。

一方のOceanic Constellationsは2023年11月創業の鎌倉発スタートアップで、創業以来累計で約40億円の資金調達を実施しています。同社は、小型無人水上艇(USV)を多数展開するUSVコンステレーションプログラム「海の衛星群」を構築し、広域海洋監視などのサービス展開を目指しています。また、さまざまな環境条件や海洋状況を仮想空間上で設定できる3次元デジタルツイン「MARDS」の技術は、再使用型ロケットの洋上回収に向けたシナリオ検証でも活用されています。

日本は四方を海に囲まれ、世界有数の海事産業の集積地でもあります。海運のノウハウと海洋テクノロジーを宇宙輸送インフラに接続する試みは、日本ならではのアプローチといえそうです。

 

文・編集/sorae編集部

参考文献・出典