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【更新】H3ロケット8号機打ち上げ失敗 「みちびき」5号機を予定の軌道へ投入できず

JAXA=宇宙航空研究開発機構は日本時間2025年12月22日14時30分から記者説明会を開催し、同日午前に実施された「H3」ロケット8号機の打ち上げが失敗したと発表しました。

JAXAによると、2段目のエンジン燃焼が計画通りに行われなかったために、搭載していた準天頂衛星システム(QZSS)「みちびき」5号機を予定していた軌道に投入できませんでした。2段目エンジンの第1回燃焼(後述)が正常に行われていれば地球周回軌道には入ったとみられていますが、記者説明会の時点では、衛星が2段目から分離されたかどうかをまだ確認できていないということです。

今回の打ち上げ失敗を受けて、JAXAは山川宏理事長をトップとする対策本部を設置しました。原因究明の状況等については随時公表していくとしています。

H3ロケットの打ち上げ失敗は、2023年3月の試験機1号機以来となります。

2段目のエンジン燃焼に問題 水素タンクの圧力不足示すデータも

H3ロケット8号機は日本時間2025年12月22日10時51分30秒に種子島宇宙センターを飛び立ち、固体燃料ロケットブースターの分離と1段目の燃焼終了に続き、1段目と2段目の分離(発射5分09秒後・速報値)までは順調に推移しました。

今回の飛行で2段目のエンジンは2回燃焼する予定で、予測値では発射5分21秒後~12分47秒後に第1回燃焼、発射24分46秒後~29分06秒後に第2回燃焼が行われることになっていました。

これに対し、実際の飛行では2段目エンジンの第1回燃焼は発射5分23秒後に推力立ち上がり・13分14秒後に停止。第2回燃焼は発射25分01秒後に推力立ち上がりとなりましたが、直後に停止した状況です。

記者説明会に登壇したJAXAの岡田匡史理事によると、1段目で飛行中の段階から2段目水素タンクの圧力が徐々に減少していたことを示すデータが得られているということです(おおむね発射3分20秒後から)。エンジンの燃料である水素の圧力は、エンジンの推力に直接関係する要素となります。

改めて2段目エンジンの状況を見てみると、予測値に対して第1回燃焼停止は27秒遅く、第2回推力立ち上がりは15秒遅くなっていました。水素の圧力不足によってエンジンの推力が小さくなっていたとすれば、こうしたエンジン燃焼の予測値とのズレは辻褄が合うことから、詳細に検討していきたいと岡田理事は述べていました。

ロケット側の機器交換と設備側の異常検知で2回延期された打ち上げ

当初、H3ロケット8号機は2025年12月7日に打ち上げられる予定でしたが、ロケット2段目の搭載機器のひとつであるIMU(慣性センサユニット、慣性計測装置)に確認が必要な事象が認められたため、JAXAは打ち上げを12月17日へ一度延期。

IMUの全6個の加速度計のうち1つで内部回路の接触不良が1箇所確認されたということで、健全性の確認されたIMUへの交換が行われました。

17日は打ち上げ直前までカウントダウンが進んだものの、冷却水注水設備で発射約17秒前に異常が検知されたことで緊急停止が発令されたため、この日の打ち上げは中止して再度延期されていました。

打ち上げ中止の原因は冷却水注水設備の圧力不足で、加圧用の窒素ガスをタンクから供給する配管に設けられた手動弁の開度を確認する際、新たに導入した治具の使用方法が想定とは異なり、開度が不足したためだと発表されています。

手動弁の開度確認を従来通りの方法で行ったところ、規定の流量に達することが確認できたことから、8号機の打ち上げは12月22日に再設定されていました。

関連画像・映像

準天頂衛星システム「みちびき」5号機を搭載して打ち上げられた「H3」ロケット8号機。JAXAの公式ライブ中継から(Credit: JAXA)
【▲ 準天頂衛星システム「みちびき」5号機を搭載して打ち上げられた「H3」ロケット8号機。JAXAの公式ライブ中継から(Credit: JAXA)】
準天頂衛星システム「みちびき」の測位衛星「みちびき」5号機(QZS-5)(画像提供: 三菱電機)
【▲ 準天頂衛星システム「みちびき」の測位衛星「みちびき」5号機(QZS-5)(画像提供: 三菱電機)】

 

【2025年12月22日16時30分更新】記者説明会の開催を受けて記事タイトルと本文を更新しました。

文・編集/sorae編集部

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参考文献・出典