内閣府、準天頂衛星システム「みちびき」6号機が静止軌道に入ったことを発表

内閣府は2025年2月18日付で、同年2月2日に打ち上げられた準天頂衛星システム(QZSS)「みちびき」6号機(QZS-6)が静止軌道に入ったことを発表しました。

みちびき6号機とは

「みちびき」はアメリカの「GPS」との互換性を確保した日本の衛星測位システムです。現在の「みちびき」は4機体制で運用されていますが、内閣府は測位精度のさらなる向上と、他国の衛星測位システムに依存しない「みちびき」だけでの持続的な測位を実現するべく、2026年度からは7機体制(将来的には11機体制)で運用することを目指しています。「みちびき」6号機は7機体制に向けて新たに打ち上げられる3機の衛星の1つで、静止軌道で運用されます。

これまでに打ち上げられた「みちびき」の衛星との大きな違いとして、6号機にはJAXAが開発を進めている高精度測位システム(ASNAV)の実証用アンテナが搭載されています。JAXAは、将来「みちびき」の衛星すべてに高精度測位システムが搭載されれば、スマートフォンのような一般的な受信機の測位精度は現在の5~10mから1m程度にまで向上することが期待されるとしています。

内閣府によると、日本時間2025年2月2日17時30分に「H3」ロケット5号機で打ち上げられた「みちびき」6号機は、近地点の高度を上げるためのエンジン噴射を遠地点で4回行った後に静止化を行い、2025年2月13日に運用静止位置(東経約90.5度、高度約3万6000km)に投入したことを確認したということです。今後は搭載機器の機能確認が順次行われる予定です。

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三菱電機鎌倉製作所で公開された測位衛星「みちびき」6号機(QZS-6)。2024年11月27日撮影(Credit: sorae編集部)
【▲ 三菱電機鎌倉製作所で公開された測位衛星「みちびき」6号機(QZS-6)。2024年11月27日撮影(Credit: sorae編集部)】
2025年2月2日に種子島宇宙センター大型ロケット発射場から打ち上げられた「H3」ロケット5号機(Credit: JAXA)
【▲ 2025年2月2日に種子島宇宙センター大型ロケット発射場から打ち上げられた「H3」ロケット5号機(Credit: JAXA)】
打ち上げ後の「みちびき」6号機の飛行経路を説明した図(Credit: 内閣府)
【▲ 打ち上げ後の「みちびき」6号機の飛行経路を説明した図(Credit: 内閣府)】

 

Source

  • 内閣府 - みちびき6号機が静止軌道に入りました(みちびき公式サイト)

文・編集/sorae編集部