10月14日打ち上げ予定のソユーズ宇宙船はわずか3時間でISSに到着する
発射台に据え付けられるソユーズ2.1aロケット(Credit: RKK Energia/ROSCOSMOS)

既報の通り、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の野口聡一宇宙飛行士も搭乗するスペースXの宇宙船「クルー・ドラゴン」は、打ち上げが日本時間10月31日から11月上旬以降に延期されました。いっぽうロシアでは、目前に迫った宇宙船「ソユーズ」の打ち上げ準備が着々と進められています。

ロシアのセルゲイ・リジコフ(Sergey Ryzhikov)宇宙飛行士セルゲイ・クド-スべルチコフ(Sergey Kud-Sverchkov)宇宙飛行士、NASAのキャスリーン・ルビンズ(Kathleen Rubins)宇宙飛行士ら第64次長期滞在クルーの3名が搭乗する宇宙船「ソユーズMS-17」は、日本時間10月14日14時45分に打ち上げられる予定です。11日には宇宙船を搭載したソユーズ2.1aロケットがバイコヌール宇宙基地の第31発射台に据え付けられました。

今回の打ち上げでは、有人のソユーズ宇宙船としては初めて超高速(superfast)方式が採用されています。無人補給船「プログレス」ではすでに5回実施されているこの方式では、高度200km台の軌道に投入された宇宙船が地球を2周する間に徐々に高度を上げていき、打ち上げから約3時間後には高度約400kmの国際宇宙ステーション(ISS)とランデブー、ドッキングを行います。ソユーズMS-17の場合、打ち上げから3時間7分後となる日本時間同日17時52分にISSへドッキングする予定となっています。

以前のソユーズ宇宙船は打ち上げからドッキングまで2日ほどを要していましたが、2013年3月からは約6時間後に到着する方式が採用されていました。ドッキングまでの時間がさらに3時間短くなることで、ソユーズ宇宙船の船内で到着までの時間を過ごす宇宙飛行士の負担もいっそう軽くなることが期待されます。

ソユーズMS-17に搭乗する3名の宇宙飛行士。左から:ルビンズ飛行士、リジコフ飛行士、クド-スべルチコフ飛行士(Credit: NASA)

 

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Image Credit: ROSCOSMOS
Source: ロスコスモス / NASA
文/松村武宏