2012年8月以来、火星の地表で7年を超える探査活動を継続しているNASAの火星探査車「マーズ・サイエンス・ラボラトリー(MSL)」、通称「キュリオシティ」。今回、キュリオシティが撮影した最新のセルフィー(自撮り)が公開されました。

■サンプル採取で開けた穴や車体に積もった砂も写る

キュリオシティの最新セルフィー(Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS)

画像が撮影されたのは10月11日、キュリオシティが火星で過ごす2553ソル目(1ソル=火星の1日)のことでした。キュリオシティに向かって左側の地面には、サンプルを採取するためにドリルで開けられた小さな穴が2つ写っています。

着陸当年に撮影されたセルフィー(2012年10月31日に撮影)と見比べてみると、7年前には鮮やかな白を保っていた車体の上面には、現在では赤茶けた砂がたまっていることがわかります。寒く乾燥した大地が広がる火星ですが、昨年には全土を覆い尽くすほどの砂嵐が発生したように、時には荒々しい姿を見せることも。こうした嵐や強風によって舞い上がった砂が、少しずつキュリオシティに積もっているのでしょう。

7年前の2012年10月に撮影されたキュリオシティのセルフィー(Credit: NASA/JPL-Caltech/Malin Space Science Systems)

昨年の砂嵐では、2004年から活動してきた火星探査車「オポチュニティ」が太陽電池による発電ができなくなり、そのまま運用を終えるという出来事がありました。キュリオシティは電力源として太陽電池ではなく「放射性同位体熱電気転換器(RTG)」(放射性物質が崩壊するときの熱から電気を得るための装置)を搭載していたことも功を奏し、嵐を乗り切ることに成功しています。

■来年打ち上げ予定の「マーズ2020」完成に近付く

なお、NASAのジェット推進研究所(JPL)では、来年の打ち上げを目指す火星探査車「マーズ2020」の製造が進められています。キュリオシティのセルフィーと時を同じくして公開された映像では、テスト用の車輪を装着して試験に臨むマーズ2020の姿が映し出されています。

製造が進む火星探査車「マーズ2020」(Credit: NASA/JPL-Caltech)

また、現在NASAではマーズ2020の名前を募集するキャンペーンを展開しており、応募期限である11月1日が迫っています。キャンペーンの終了が迫るなか、JPLのウェブサイトにはキュリオシティの名付け親であるClara Maさんのインタビューが掲載されています。

10年前の命名当時は12歳だったMaさん。キュリオシティの名付け親になったことが「人生を変えた」と語る彼女は研究者となる道を選び、地球物理学を専攻したイェール大学を今年卒業しています。

命名キャンペーンに応募できるのは、アメリカで教育を受けている幼稚園から12学年(日本の高校3年生に相当)までの子どもたち。マーズ2020の名前は来年2020年2月18日に発表され、同年7月から8月の間に打ち上げられる予定です。

命名当時のClala Maさん(左)と現在の姿(右)(Credit: NASA/JPL-Caltech (left); Clara Ma (right))

 

Image: ESA/Hubble, NASA, Suyu et al.
Source: NASA 1,2,3
文/松村武宏

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