中国は11月3日、最新大型ロケット「長征五号」の打上げに成功しました。現在宇宙ステーション「天宮」の建造を目指す同国ですが、そのための技術を着実に積み重ねていることが実証された形です。
南シナ海に面した海南島にある文昌衛星発射センターから午後8時43分(現地時間)に打上げられた長征五号。同ロケットのミッションの多くは明かされていませんが、電気推進システムのテストを行う人工衛星「実践十七号」を搭載していたことがわかっています。
この長征五号は全長57メートル/2段階の大型ロケットで、25トンの貨物を低軌道(LEO)に、そして14トンの貨物を静止軌道(GEO)に打ち上げることが可能です。その打上げ能力はユナイテッド・ローンチ・アライアンスの大型ロケット「デルタIVヘビー」にも相当します。近い将来にはLEOへ54トンの打ち上げ能力を持つスペースXのファルコンヘビーなども登場しますが、長征五号が現時点では最強クラスの打上げ能力を持っていることは間違いありません。
そして、長征五号は2022年の運用開始を目指す宇宙ステーション「天宮」建築のためのモジュール運搬にも利用されるはずです。さらに同ロケットは2017年の月面サンプルリターン計画「嫦娥五号」の打上げにも利用されるなど、中国の宇宙開発の中軸としての役割をはたすことになります。
中国は「長征ロケット」計画として、小型ロケットの「長征六号」や中型ロケットの「長征七号」を2015年と2016年に打ち上げ成功しています。さらに今後は独自の月面探査や宇宙ステーション建造をめざすなど、同国の宇宙開発はまさに全盛期を迎えようとしているようです。
Image Credit: China Aerospace Science and Technology Corporation
■China Launches Heavy-Lift Long March 5 Rocket for 1st Time
http://www.space.com/34601-china-launches-long-march-5-heavy-lift-rocket.html
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