【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)

(引用元:sorae 宇宙へのポータルサイト)


こちらは、カシオペヤ座の方向約1万光年前後に位置している「ティコの超新星残骸(Tycho’s Supernova Remnant)」です。超新星残骸とは、大質量星が超新星爆発を起こしたり、白色矮星が超新星爆発(Ia型超新星)を起こしたりすることで形成される天体を指します。

Source
  • Image Credit: X-ray: NASA/CXC/RIKEN & GSFC/T. Sato et al; Optical: DSS
  • sorae - 光では見えない「ティコ」の超新星残骸から爆発の対称性を探る

 

アメリカ航空宇宙局(NASA)のX線観測衛星「チャンドラ(Chandra)」によるX線観測と、可視光線で撮影したデータを合成したティコの超新星残骸の画像は、実際の人間の目ではここまでカラフルには見えません。X線の観測データには擬似カラーが施されており、青と赤は超新星爆発によってまき散らされたケイ素(Si)の分布を表したもので、青は地球に向かって、赤は地球から遠ざかるように動いているケイ素を示しています。その他の黄色、緑、オレンジ、紫といった色は、エネルギーの強弱や物質の違い、運動する方向などによって塗り分けられています。

可視光線のみの画像。ティコの超新星残骸があるようには見えない
【▲ 可視光線のみの画像。ティコの超新星残骸があるようには見えない(Credit: DSS)】

X線では鮮明にその姿を捉えられますが、可視光ではほとんど確認できないほど淡い天体です。なお、「ティコの超新星残骸」という名称は、デンマークの天文学者ティコ・ブラーエ(Tycho Brahe)に由来しています。

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編集/sorae編集部

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