(引用元:sorae 宇宙へのポータルサイト)
こちらは、南天の「ぼうえんきょう座(望遠鏡座)」の方向およそ8億光年先に位置する電波銀河のひとつ「PKS 2014-55」です。撮影に使用されたのは、南アフリカ電波天文台の電波望遠鏡「MeerKAT(ミーアキャット)」です。
※この画像は南アフリカ電波天文台が2020年5月に公開したものです。この記事は当時の情報をもとに掲載しています。
- Image Credit: NRAO/AUI/NSF; SARAO; DES.
- sorae - X字形のジェットを持った電波銀河の謎に迫る
- 南アフリカ電波天文台 - South Africa’s MeerKAT solves mystery of ‘X-galaxies’
この観測データから、PKS 2014-55の銀河中心核から新しいジェットが噴出し始めている様子が確認され、その噴出方向が古いX字形のジェットのうち長い部分と一致していることがわかりました。このことから、長い部分はかつて噴出したジェットの本体とみられています。また、この古いジェットの一部が銀河へ向かって逆流し、流れの向きが変わったことで平仮名の「し」のような形が2つ形成され、結果として全体がX字形に見えるようになったと考えられています。
MeerKAT(ミーアキャット)とは
南アフリカ電波天文台(SARAO)の口径13.5mのパラボラアンテナ64台からなる電波望遠鏡。MeerKAT は当初は20台の電波望遠鏡からなる「KAT」(Karoo Array Telescope)として計画されましたが、64台まで増築することが許可されたため「MeerKAT」(more of KAT)と改名しました。この名前は、この地方に生息する「ミーアキャット」(学名:Suricata suricatta)にも因んでいるとのことです。
関連記事
- 謎の天体「奇妙な電波サークル」は銀河の爆発的な星形成が生み出した?
- ミーアキャットが観測した天の川銀河。中心部を取り囲む未知の天体も捉える
- 天の川銀河中心部からの謎の電波を検知 奇妙な点滅・増減を繰り返している
編集/sorae編集部