(引用元:sorae 宇宙へのポータルサイト)
こちらは、アメリカ航空宇宙局(NASA)の火星探査車「Perseverance」と火星ヘリコプター「Ingenuity」が火星着陸直前まで格納されていたバックシェルとパラシュートです。2022年4月19日にIngenuityが撮影したもので、soraeでは2022年4月28日の記事で紹介しています。
冒頭の画像は、Ingenuityによる26回目の飛行中に撮影された合計10枚の写真のうちの1枚です。26回目の飛行は、切り離されたバックシェルとパラシュートを捉えることを目的として計画されました。バックシェルは、時速約126kmで火星表面に衝突したため、激しく損傷し、周囲に破片を散乱させていますが、その表面コーティングは大気圏突入を経てもなお「無傷に近い」状態だといわれています。
また、砂埃に覆われたパラシュートは、その全体の3分の1程度しか見えていないにもかかわらず、展開中に浴びた超音速気流による損傷の兆候は見当たらないようです。
火星ヘリコプター「Ingenuity」とは
Ingenuityは、長さ1.2mのカーボンファイバー製ローター(二重反転式)を備えた重量1.8kgの小型ヘリコプターです。2021年2月に火星のジェゼロ・クレーターへ着陸した探査車「Perseverance」の車体底部に搭載される形で火星に到着しました。ローターの上には太陽電池が搭載されており、充電することで繰り返し飛ぶことが可能です。地球と火星を結ぶ通信では無視できない時差が生じるため、地球からの指令を受け取ったインジェニュイティは離陸から着陸まで自律的に飛行します。
なお、「Ingenuity」という名称は英語で「創意工夫」や「巧妙さ」といった意味を持ちます。
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編集/sorae編集部