
こちらは「かじき座(旗魚座)」の方向約16万光年先にある散開星団「NGC 2040」とその周辺の様子です。青白く輝く星々を取り囲むオレンジ色の星雲は、どこかバラのような花を思わせる姿をしています。

花のような星雲が物語る星のライフサイクル
画像を公開したNSF NOIRLab=アメリカ国立科学財団の国立光学・赤外天文学研究所によると、NGC 2040は天の川銀河の伴銀河(衛星銀河)のひとつ「大マゼラン雲」(Large Magellanic Cloud: LMC、大マゼラン銀河とも)にある若い星団で、太陽よりも大質量で高温のO(オー)型星やB型星を含んでいます。
これらの大質量星は寿命が数百万年~数千万年程度と短く、超新星爆発を起こして恒星としての生涯を終えます。星の内部の核融合反応や超新星爆発によって生成された元素は周辺に放出され、次の世代の星々へと引き継がれていきます。NGC 2040を彩る星雲の花は、星の生と死、そして再生を物語っているようだとNOIRLabは解説しています。
地球という惑星で誕生した人間を形作る様々な元素も同じ。私たちも星の壮大なライフサイクルの一部なのです。冒頭の画像はチリのセロ・パチョンにあるジェミニ天文台の「ジェミニ南望遠鏡」で撮影されたもので、NOIRLabから2025年2月14日付で公開されています。
- この天体の正体は? はるか彼方の活動を光学望遠鏡と電波望遠鏡が捉えた(2025年2月11日)
Source
- NOIRLab - A Fiery Rose Captured by Gemini South
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部