2024年9月7日(日本時間・以下同様)、Boeing(ボーイング)の新型宇宙船「Starliner(スターライナー)」が国際宇宙ステーション(ISS)を離れて地球に帰還しました。打ち上げ時に搭乗した宇宙飛行士はISSに残ったまま、無人での帰還です。
StarlinerはSpaceX(スペースX)の宇宙船「Crew Dragon(クルードラゴン)」とともにアメリカ航空宇宙局(NASA)のCommercial Crew Program(コマーシャルクループログラム、商業乗員輸送計画)のもとで開発がスタートした有人宇宙船で、これまでに2回の無人飛行試験が実施されています。
今回は開発最終段階の有人飛行試験にあたる「Crew Flight Test(CFT)」ミッションの一環として、NASAのBarry Wilmore宇宙飛行士とSunita Williams宇宙飛行士がStarlinerに搭乗。2024年6月5日に打ち上げられた後、6月7日にISSにドッキングすることに成功していました。
しかし打ち上げからISS到着までの間に、Starlinerのサービスモジュールに組み込まれている姿勢制御システム(RCS)で打ち上げ前にも確認されていたヘリウム漏れや、一部のスラスターが使用できない問題が発生。当初の予定ではCFTの2名のクルーはISSに8~10日間滞在した後にStarlinerで帰還する予定でしたが、宇宙と地上でのテストやデータの収集と評価などを行い検討した結果、NASAはStarlinerをクルーが搭乗しない無人の状態で地球へ帰還させる決断を下していました。
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無人で帰還することになったCFTのStarlinerは、2024年9月7日7時4分にISSを離脱。約6時間後の同日13時1分(アメリカ東部夏時間同日0時1分)、アメリカ・ニューメキシコ州のホワイトサンズ宇宙港に着陸することに成功しました。
なお、Wilmore宇宙飛行士とWilliams宇宙飛行士は2025年2月までISSに滞在し、2024年9月24日以降に打ち上げが予定されているNASAの有人宇宙飛行ミッション「Crew-9(クルー9)」のCrew Dragonに搭乗して地球に帰還する予定です。【最終更新:2024年9月7日13時台】
Source
- NASA - NASA’s Boeing Crew Flight Test (NASA Blogs)
文・編集/sorae編集部