【▲ 相互作用銀河「VV689」(Credit: ESA/Hubble & NASA, W. Keel.; Acknowledgement: J. Schmidt)】

こちらは「しし座」の方向にある相互作用銀河「VV689」の姿。相互作用銀河とは、重力を介して互いに影響を及ぼし合っている銀河のことです。

欧州宇宙機関(ESA)によると、VV689では2つの銀河が衝突の真っ最中だといいます。地球から観測すると、潮汐力によって引き伸ばされた銀河はほぼ左右対称になっていて、まるで何かが翼を広げているかのようにも見えます。VV689はその姿から「Angel Wing(天使の翼)」の愛称で呼ばれています。

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VV689は市民参加型の天文学プロジェクト「Galaxy Zoo」で発見された銀河の一つです。10万人以上のボランティアが参加したGalaxy Zooでは、未調査の銀河90万個が分類されました。プロの天文学者が何年も費やした可能性がある作業を、ボランティアたちはわずか175日間で達成したといいます。

ESAによれば、Galaxy Zooプロジェクトでは相互作用銀河をはじめ風変わりで素晴らしいタイプの銀河が幾つも見つかっており、その一部はこれまで研究されたことがなかったといいます。そこで、Galaxy Zooは「ハッブル」宇宙望遠鏡による追加観測の対象を選ぶための投票を2018年に実施。一般市民から約1万8000票が投じられた結果、VV689や「IC 2431」を含む300個の銀河が選ばれました。2022年2月時点ではその約半数となる146個の観測が行われたとのことです。

冒頭の画像はハッブル宇宙望遠鏡の今週の一枚として、ESAから2022年4月18日付で公開されています。

 

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Source

  • Image Credit: ESA/Hubble & NASA, W. Keel.; Acknowledgement: J. Schmidt
  • ESA/Hubble - Hubble Inspects a Set of Galactic Wings
  • Galaxy Zoo Blog

文/松村武宏