NASAの太陽系外縁天体探査機ニュー・ホライズンズの想像図。太陽の周りでぼんやりと輝いているのは<strong>黄道光</strong>と呼ばれるもの。宇宙塵が太陽光を反射して生じる。(Image Credit:Joe Olmsted/STScI)

NASAの太陽系外縁天体探査機ニュー・ホライズンズの想像図。太陽の周りでぼんやりと輝いているのは黄道光と呼ばれるもの。宇宙塵が太陽光を反射して生じる。(Image Credit:Joe Olmsted/STScI)

NASAは1月14日、太陽系外縁天体探査機「ニュー・ホライズンズ」の観測データを使って、アメリカ国立科学財団のTod Lauerさん率いる研究チームが、宇宙の明るさの新たな測定に成功したと発表しました。ニュー・ホライズンズは、冥王星の探査で知られ、現在、冥王星以遠のカイパーベルトを探査しています。

みなさんは宇宙の銀河などが全く存在しない部分の明るさはどれくらいだと思いますか?完全に真っ暗なのでしょうか?

実は、そのような部分でも、宇宙は無数の銀河などが放つ光によって満たされているために、ごくわずかですが明るくなっています。これを「宇宙可視光背景放射」といいます。

ただ、その明るさは本当にごくわずかなために測定することはとても難しいです。

これは、地上からの測定だけではなくハッブル宇宙望遠鏡などを使った宇宙からの測定でも変わりません。なぜなら、宇宙からの観測でも宇宙塵が太陽光線を反射して生じる黄道光に邪魔されてしまうためです。太陽系の内側の方にはたくさんの宇宙塵が漂っています。

そこで研究チームが目を付けたのが太陽系外縁天体探査機ニュー・ホライズンズです。ニュー・ホライズンズは、太陽系の遥か外側の方にあるために、黄道光の影響が少なく、その周りは、ハッブル宇宙望遠鏡の周りが最も暗くなるときよりも、10倍も暗いのです。

研究チームは、このようなニュー・ホライズンズの観測データに、天の川銀河を漂う塵が天の川銀河の恒星の光を反射して生じる光の影響を除くなどの補正を加えて、宇宙可視光背景放射を新しく測定することに成功しました。

その明るさは、NASAによると「夜、遥か人里離れた自宅のベッドルームでカーテンを開けたまま横になっているとして、そこから1.6km(a mile)ほど離れたところに住んでいる隣人が夜食をとろうと開けた冷蔵庫の光が、窓から入ってきて、ベッドルームの壁に反射している程度の明るさ」だといいます。

そして、研究チームはこの測定結果からさらに宇宙に存在する銀河の数(観測装置の限界から観測できない銀河も含む)も推定しました。すると、この宇宙には数千億個の銀河が存在すると推定されることが解りました。ちなみに私達の天の川銀河だけでも約1000億個の恒星が含まれていると考えられています。

宇宙の規模の大きさにはほんとうに驚かされます。

 

Image Credit: Joe Olmsted/STScI
Source: NASA論文
文/飯銅重幸

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