独立行政法人国立科学博物館、大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 国立極地研究所、国立大学法人九州大学は、7月2日に千葉県習志野市と船橋市に落下した隕石を分析し、分類をH5普通コンドライト(球粒隕石)と確定し、この隕石は11月1日に国際隕石学会に「習志野隕石(Narashino)」として登録したことを発表しました。
「習志野隕石(Narashino)」は、2020年7月2日午前2時32分に関東地方上空を大火球が通り、これに伴って千葉県周辺に隕石が落下しました。同日、1つ目の隕石片が千葉県習志野市のマンションで発見され、千葉県立中央博物館を通じて国立科学博物館に同定依頼があり、ガンマ線測定を行って宇宙線生成核種を検出し、最近落下した隕石であることを確認しています。
国立極地研究所の分析結果により、鉱物組成からHグループ、岩石学的タイプは5であることから「H5 コンドライト」であることが判明。また、九州大学の分析結果により、習志野隕石が形成された年代は、太陽系が形成された46億年前の直後であること、習志野市で発見された1号と船橋市で発見された2号は同一起源の隕石であることも確認されました。この研究結果を踏まえて、国際隕石学会(The Meteoritical Society)に「習志野隕石(Narashino)」へ登録申請を行い、10月24日付で承認されました。
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また、「習志野隕石(Narashino)」は11月10日(火)から12月13日(日)まで国立科学博物館で「科博ニュース展示」として、隕石の一部小片を隕石が衝突した瓦の一部などとともに公開。また、千葉県立中央博物館は、2021年2月28日まで別の小片が同時に展示・公開されています。
習志野隕石写真
薄片の偏光顕微鏡写真 (国立極地研究所にて撮影)
Image Credit: 独立行政法人国立科学博物館、大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 国立極地研究所、国立大学法人九州大学
Source: 国立科学博物館,文化省,PRTIMES
Last Updated on 2020/11/13