
こちらは、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が観測した渦巻銀河「NGC 5134」。
おとめ座の方向、地球から約6500万光年先にあります。
赤く輝く塵(ダスト)のネットワークと、星々の光が織りなす淡い青色の輝きが印象的な姿です。

この画像は、ウェッブ宇宙望遠鏡の「MIRI(中間赤外線観測装置)」と「NIRCam(近赤外線カメラ)」で取得したデータを使って作成されました。JWSTは人間には見えない赤外線を主に捉えるため、使用されたデータは観測装置のフィルターに応じて青・シアン・緑・オレンジ・赤で着色されています。
ESA(ヨーロッパ宇宙機関)によると、赤色やオレンジ色で示されているのは、MIRIが捉えた温かい塵の分布です。ガスとともに星間雲を漂うこれらの塵にはPAH(多環芳香族炭化水素)と呼ばれる複雑な有機分子が含まれており、星間雲での化学反応を調べる上で重要な手がかりとなります。
一方、青色はNIRCamが捉えたもので、渦巻腕(渦状腕)に分布する星々や星団から放射された近赤外線を主に示しています。
繰り返される星々の誕生と死
星形成活動が起きている銀河では、星の誕生と死を通じて、ガスの絶え間ない循環が起きています。太陽のような比較的軽い星は赤色巨星へと膨張して穏やかにガスを放出し、太陽の約8倍以上の質量を持つ大質量星は超新星爆発を通じて激しく物質を放出します。
こうして星間空間に放出されたガスが、再び新しい星を作る材料になるのです。ESAによれば、NGC 5134でも渦巻腕に沿って広がるガス雲で新しい星が誕生しています。
ウェッブ宇宙望遠鏡によるNGC 5134の観測は、近傍宇宙で活発に星形成を行う55個の銀河を対象とした研究プログラムの一環として実施されました。詳細な観測ができる近傍宇宙の銀河で得られた知見は、画像の背景に見えるような、はるか遠くの銀河を理解する上でも応用できると期待されています。
冒頭の画像はESA/Webbから2026年2月20日付で公開されています。
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
関連記事
- 見事な姿の棒渦巻銀河 ダークエネルギーカメラが観測した“ろ座”の「NGC 1365」
- 渦巻銀河? レンズ状銀河? ハッブル宇宙望遠鏡が観測した“おとめ座”の「NGC 4680」
- 真っ暗な海を漂うクラゲのような渦巻銀河「JW100」 ハッブル宇宙望遠鏡が観測























