スペースX、NASAの宇宙望遠鏡「SPHEREx」と太陽圏観測衛星「PUNCH」を打ち上げ

アメリカの民間企業SpaceX(スペースX)は日本時間2025年3月12日に「Falcon 9(ファルコン9)」ロケットの打ち上げを実施しました。搭載されていたNASA=アメリカ航空宇宙局の人工衛星は無事ロケットから切り離され、通信を確立したことがNASAから発表されています。

打ち上げに関する情報は以下の通りです。

打ち上げ情報:Falcon 9 (SPHEREx & PUNCH)

  • ロケット:Falcon 9
  • 打ち上げ日時:日本時間 2025年3月12日12時10分
  • 発射場:バンデンバーグ(ヴァンデンバーグ)宇宙軍基地(アメリカ)
  • ペイロード:SPHEREx、PUNCH

SPHERExについて

ペイロードの「SPHEREx」は、広範な科学目標を達成するべく6か月ごとに全天の3Dマップを作成するために開発された宇宙望遠鏡です。光が届くまで100億年かかるほど遠いものを含む4億5000万以上の銀河や、天の川銀河の1億以上の恒星について天体のスペクトル(電磁波の波長ごとの強さの分布)を得る分光観測を可視光線と近赤外線の波長域で行い、宇宙の始まりや生命の材料の分布についての知見を得ることなどが期待されています。

ロケットから分離されたSPHEREx宇宙望遠鏡は無事に地上との通信が確立されており、約1か月の試運転期間を経て2年間の主要ミッションを開始する予定です。

PUNCHについて

ペイロードの「PUNCH」は、太陽の外層大気である太陽コロナが太陽風になる仕組みを調査するために開発された太陽圏観測衛星で、4機の小型衛星が連携する衛星コンステレーションとして運用されます。

ロケットから分離されたPUNCH衛星は地上との通信が4機すべてで確立されており、90日の試運転期間中に各衛星を所定の軌道に配置した後、太陽風の観測を開始する予定です。

関連画像・映像

NASAの宇宙望遠鏡「SPHEREx」と科学衛星「PUNCH」を搭載して打ち上げられたSpaceXの「Falcon 9」ロケット(Credit: SpaceX)
【▲ NASAの宇宙望遠鏡「SPHEREx」と科学衛星「PUNCH」を搭載して打ち上げられたSpaceXの「Falcon 9」ロケット(Credit: SpaceX)】

関連リンク

 

文/sorae編集部 速報班 編集/sorae編集部

参考文献・出典

  • NASA - NASA Launches Missions to Study Sun, Universe’s Beginning
  • SpaceX (X)