ESAの木星系探査機「JUICE」打ち上げ成功 8年に渡る旅路がスタート
【▲ JUICEミッションのイメージ図(Credit: spacecraft: ESA/ATG medialab; Jupiter: NASA/ESA/J. Nichols (University of Leicester); Ganymede: NASA/JPL; Io: NASA/JPL/University of Arizona; Callisto and Europa: NASA/JPL/DLR)】

アリアンスペースは2023年4月14日(日本時間)に、「アリアン5」ロケットの打ち上げを実施しました。搭載されていた欧州宇宙機関(ESA)の木星系探査機「JUICE」は所定の軌道へ無事に投入されたことを、アリアンスペースやESAが発表しています。

【▲ ESAの木星系探査機「JUICE」を搭載した「アリアン5」ロケットの打ち上げ(Credit: ESA - M. Pédoussaut)】
【▲ ESAの木星系探査機「JUICE」を搭載した「アリアン5」ロケットの打ち上げ(Credit: ESA - M. Pédoussaut)】

打ち上げに関する情報は以下の通りです。

■打ち上げ情報:アリアン5 ECA+(Flight V260)

ロケット:アリアン5 ECA+
打ち上げ日時:日本時間2023年4月14日21時14分【成功】
発射場:ギアナ宇宙センター(フランス領ギアナ)
ペイロード:JUICE

JUICE(JUpiter ICy moons Explorerの略)は欧州初の木星系探査ミッションで、日本語では「木星氷衛星探査計画」と呼ばれています。その名が示すように、JUICEの主な探査目標はガリレオ衛星とも呼ばれる木星の四大衛星のうち、エウロパ・ガニメデ・カリストの3つ。2031年7月に木星系へ到着してからは木星を周回しつつ3つの氷衛星をフライバイ観測し、2034年12月以降はガニメデの周回軌道に入って観測を行う計画です。

打ち上げ後、アリアン5第2段からの分離成功に続き、同日22時4分にはESAのニュー・ノーチャ地上局(オーストラリア)でJUICEからの信号を受信することに成功。同日22時33分には太陽電池アレイの展開にも成功したことが確認されました。

JUICEは木星へ直接向かうのではなく、地球と金星で合計4回のスイングバイ(太陽を公転する惑星の重力を利用して軌道を変更する方法)を繰り返して徐々に軌道を変更していきます。1回目となる地球-月スイングバイ(最初に月で、1日半後に地球でスイングバイを行う)の実施は2024年8月の予定です。

なお、今回は1997年10月から運用されているアリアン5の116回目の打ち上げとなりました。後継機の「アリアン6」ロケットに切り替えられるまで、あと1回の打ち上げが残されているということです。

【▲ JUICEミッションのイメージ図(Credit: spacecraft: ESA/ATG medialab; Jupiter: NASA/ESA/J. Nichols (University of Leicester); Ganymede: NASA/JPL; Io: NASA/JPL/University of Arizona; Callisto and Europa: NASA/JPL/DLR)】
【▲ JUICEミッションのイメージ図(Credit: spacecraft: ESA/ATG medialab; Jupiter: NASA/ESA/J. Nichols (University of Leicester); Ganymede: NASA/JPL; Io: NASA/JPL/University of Arizona; Callisto and Europa: NASA/JPL/DLR)】

■打ち上げ関連画像・映像

https://twitter.com/esa/status/1646881672816648195

 

■打ち上げ関連リンク

 

Source

  • Image Credit: ESA - M. Pédoussaut, ESA/ATG medialab, NASA/ESA/J. Nichols (University of Leicester), NASA/JPL, NASA/JPL/University of Arizona, NASA/JPL/DLR
  • ESA - ESA’s Juice lifts off on quest to discover secrets of Jupiter’s icy moons
  • ArianeSpace - ARIANE 5 SUCCESSFULLY LAUNCHES THE JUICE SPACE PROBE FOR ESA

文/sorae編集部 速報班