
アメリカが主導する有人月探査計画「Artemis(アルテミス)」で初めての有人ミッションとなる「Artemis II(アルテミスII)」。その歴史的な打ち上げがいよいよ翌日に迫り、フロリダ州のケネディ宇宙センターではカウントダウン作業が大詰めを迎えています。
NASA(アメリカ航空宇宙局)は現地時間2026年3月31日、打ち上げ1日前の記者会見を開催しました。カウントダウン作業は順調に進んでおり、アメリカ東部夏時間2026年4月1日18時24分(日本時間翌2日7時24分)から始まる120分間の打ち上げウィンドウ(打ち上げ可能な時間帯)に向けて、チームの士気は高く保たれているということです。

極低温推進剤の充填に向け準備は順調
会見に登壇したNASA探査地上システム(EGS)テストディレクターのJeff Spaulding氏によると、これまでに打ち上げ時の音響を抑制するシステムへの注水や、機体の電源投入および通信テストが完了しており、現在はバッグ類などの後期搭載品を有人宇宙船「Orion(オリオン、オライオン)」へ積み込む作業が進められています。
今後のタイムラインとして、現地時間4月1日3時頃に発射台から作業員が退避し、同7時34分頃から大型ロケット「SLS(スペース・ローンチ・システム)」への極低温推進剤の充填が開始される予定です。
事前のテストで課題となっていた水素漏れについては、シールの交換と徹底的なテストが実施済みとされています。Spaulding氏は、推進剤が急速充填へ移行するタイミングを入念に監視するとしつつも、対策には強い自信を持っていると語りました。
また、地球低軌道の人工物が近年増加していることに伴い、約156件にも上る衝突回避のための打ち上げタイミングの調整を行いながら、細かな隙間を縫って打ち上げるための訓練も十分に積んでいるとしています。
気象条件は80パーセントの確率で良好
打ち上げを左右する気象条件についても、明るい見通しが示されました。アメリカ宇宙軍第45気象中隊のMark Berger氏によると、打ち上げ予定日である現地時間4月1日の天候が打ち上げ基準を満たす確率は80パーセントと予測されています。
主な懸念事項としては、積雲と海からの風が挙げられています。NASAは今回の打ち上げにおいて6日間で最大4回の打ち上げ機会を設定していますが、予備日となる4月2日から4月4日にかけては気象条件が悪化する傾向にあるため、Berger氏は「水曜日(4月1日)が最も条件の良いベストな日である」と述べています。
また、協定世界時(UTC)3月30日にはX1.4の太陽フレアが発生しましたが、NASAが打ち上げ基準値と照らし合わせて評価した結果、放出されたエネルギーは地球から逸れており、今回の打ち上げには影響しないことが確認されたということです。
打ち上げライブ配信は日本時間4月2日未明にスタート
Artemis IIは、1972年の「Apollo 17(アポロ17号)」以来およそ半世紀ぶりに人類が月周辺を飛行する、約10日間の宇宙飛行ミッションです。
歴史的な打ち上げの模様は、NASAの公式ストリーミングサービス「NASA+」や、NASAの公式YouTubeチャンネルなどを通じてライブ配信されます。ライブ配信はアメリカ東部夏時間2026年4月1日12時50分(日本時間では翌2日1時50分)にスタートする予定です。
日本では打ち上げウィンドウが朝の通勤・通学時間帯と重なりますが、半世紀ぶりの有人での月周辺の飛行へ向けて飛び立つ巨大なSLSロケットの雄姿と、宇宙飛行士たちの新たな探査への旅立ちを、可能であればぜひライブ配信で見守りましょう!
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
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参考文献・出典
- NASA - NASA Teams Readying Artemis II Moon Rocket for Launch
- NASA - NASA's Artemis II L-1 Countdown Status News Conference (March 31, 2026) (YouTube)
























