
NASA=アメリカ航空宇宙局は2025年11月24日付で、航空機大手Boeing(ボーイング)が開発中の新型宇宙船「Starliner(スターライナー)」に関する契約の変更を発表しました。
飛行回数が最大6回から4回&オプション2回へ

Starlinerはアメリカ企業SpaceX(スペースX)の宇宙船「Crew Dragon(クルードラゴン)」とともに、NASAの「Commercial Crew Program(CCP、商業乗員輸送計画)」のもとで開発がスタートした有人宇宙船です。これまでに2回の無人飛行試験と1回の有人飛行試験を実施しています。
初飛行となった2019年の無人飛行試験「Orbital Flight Test(OFT)」では、機内のタイマーの問題で計画通りの軌道に投入できず、ISS=国際宇宙ステーションへの到達を断念して地球に帰還。2022年の2回目の無人飛行試験Orbital Flight Test-2(OFT-2)」ではISSへの往復に成功し、試験目標の達成が報告されました。
2024年6月の有人飛行試験「Crew Flight Test(CFT)」では、StarlinerはISSに到着したものの、帰還時に切り離すサービスモジュールの姿勢制御システム(RCS)で問題が発生。地球には無人で帰還することになり、搭乗していたNASAの宇宙飛行士2名は2025年3月まで長期滞在した後に、Crew Dragonで無事帰還しました。

NASAが2社と交わしたCCPの当初の契約内容では、ISSへの有人飛行を最小2回・最大6回実施することができます。ただしその前に、NASAの宇宙飛行士を最低1人乗せた有人飛行試験を少なくとも1回実施することになっていました。StarlinerのCFTはこの条件を満たすためのミッションでしたが、帰路も含めた有人飛行全体を達成するには至っていません。
今回の発表でNASAは、Boeingとの徹底的な検討の結果として、発注されるミッション数を4回に、オプションとして利用可能なミッション数を2回にする契約内容の変更に合意したことを明らかにしました。
4回のミッションのうち、最初のミッション「Starliner-1」は宇宙飛行士の代わりに物資を輸送すると同時に、CFTの後に実施されたアップグレードの検証を目的とした無人飛行になりました。したがって、ISSの長期滞在クルー交代のための有人飛行は、その次のミッション以降の3回ということになります。
Starlinerは2026年に2回の飛行が計画されており、無人のStarliner-1ミッションは2026年4月以降に実施される予定だということです。
なお、ISSの運用は2030年で終了し、その後はSpaceXが開発する宇宙機で軌道を離脱させることが決まっています。そのため、Starlinerが認証を取得し、2026年内に本格的な有人飛行を開始できたとしても、ISSへの飛行は運用終了までの数年間に限られることになります。
ISSの運用終了が迫る中での契約変更は、アメリカ企業Sierra Space(シエラ・スペース)が開発中のスペースプレーン(宇宙往還機)「Dream Chaser(ドリームチェイサー)」に関しても2025年9月に発表されています。
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
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