
(引用元:NASA/JPL)
こちらは土星探査機「カッシーニ」が2010年12月21日に狭角カメラ(Narrow-Angle Camera)の可視光フィルターで撮影した、土星の衛星「エンケラドゥス」の画像です。背景には土星本体の縞模様と、ほぼ真横から見た環が広がっています。

この画像はモノクロ撮影のため、エンケラドゥスの白さがいっそう際立って見えます。
ただし、これは単なる画像の見え方だけではありません。エンケラドゥスは、太陽系でも特に反射率が高い天体として知られており、可視光での幾何アルベド(反射率の指標)は1.38に達します。これは、地球上の新雪をも上回る高い反射率といえます。
この白さを生み出しているのは、南極付近で続く活発な氷の火山活動です。エンケラドゥスの南極には「タイガーストライプ」と呼ばれる氷の亀裂が走っており、そこから水蒸気や氷の粒子が宇宙空間へ噴き上がっています。放出された氷粒子の一部は再びエンケラドゥスの表面に降り積もり、表面を新しい氷で覆い続けているのです。つまりエンケラドゥスは、自ら噴き上げたプルーム(間欠泉のように噴き出す水蒸気や氷の柱)によって表面の白さを保っている衛星だといえます。
カッシーニの観測とそのデータの分析によって、エンケラドゥスのプルームに含まれる氷粒子からは、水や塩分、有機物に加え、生命に欠かせない元素のひとつであるリンを含むリン酸塩も検出されています。厚い氷殻の下には全球規模の液体の海が広がっていると考えられており、地球外生命が存在しうる環境の有力候補として注目されています。

編集/sorae編集部
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