
(引用元:NASA)
色とりどりの球体がびっしりと並んだこの画像。パッと見るとこの丸い玉が惑星のように思えるかもしれませんが、実はこれらはすべて「恒星(太陽のように自ら光る星)」です。
NASAのケプラー宇宙望遠鏡が発見した2740個の系外惑星候補たちは、その恒星の手前を横切る「小さな黒い点」として、この一枚のイラストの中に大集合しています。ケプラーの科学チームに所属していたJason Rowe氏とアーティストのWendy Stenzel氏が制作し、2013年1月に公開されました。ケプラーミッションの途上に記録された、当時の系外惑星探査の熱気を伝える歴史的なスナップショットでもあります。

データから視覚化した「トランジット」図鑑
画像の中で色のついた円が主星(恒星)、その手前にある黒い点が惑星候補のシルエットです。これは、ケプラーが観測した光のデータをもとに、惑星が主星の手前を横切る「トランジット」の瞬間を視覚的に再現したイラストです。
主星は左上から右下へ直径が大きい順に並んでおり、画像下部にはスペクトル型(A, F, G, K, M)と表面温度のカラーバーが添えられています。左上の白っぽく大きな星は表面温度が1万K前後のA型星やF型星、右下の小さく赤みがかった星は表面温度が3000K前後のM型星(赤色矮星)です。2740個の惑星候補は2036個の恒星を周回しており、よく見ると1つの主星に複数の黒い点が見えるものもあります。
右上の太陽と木星を探してみよう
画像の右上に「Jupiter transiting the Sun」という注記とともに、比較用の太陽が描かれています。その手前を横切る小さな黒い点が木星のシルエットです。太陽系最大の惑星である木星でさえ、太陽と比べるとこれほど小さな点にしかなりません。ケプラーは、このようなわずかな明るさの変化を検出することで惑星候補を見つけ出していました。
2009年から始まった「惑星狩り」
ケプラー宇宙望遠鏡は2009年に打ち上げられ、はくちょう座方向の約15万個の恒星を監視し続けました。画像が公開された2013年1月時点では2740個の「候補」でしたが、その後の継続的な分析により、この中の多くの天体が実際に惑星であることが確認されています。
現在の視点からこの画像を振り返ると、右下に並ぶ小さく赤い恒星(M型星)の周りに多くの惑星候補が密集していることが重要です。ケプラーがもたらした膨大なデータは、太陽系には存在しない「地球と海王星の中間サイズ(スーパーアースやミニネプチューン)」の惑星が、実は宇宙で最も一般的な存在である、という現在の天文学の常識を打ち立てました。
文・編集/sorae編集部
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