UAE宇宙機関がGatewayエアロックモジュール製造で欧州企業と契約締結

ヨーロッパの民間企業Thales Alenia Space(タレス・アレニア・スペース)は2025年2月4日付で、アラブ首長国連邦(UAE)のムハンマド・ビン・ラシード宇宙センター(MBRSC)との間で月周回有人拠点「Gateway(ゲートウェイ)」のエアロックモジュールに関する契約を締結したと発表しました。

月周回有人拠点「Gateway(ゲートウェイ)」の想像図(Credit: Thales Alenia Space/Briot)
【▲ 月周回有人拠点「Gateway(ゲートウェイ)」の想像図(Credit: Thales Alenia Space/Briot)】

MBRSCが提供するGatewayエアロックモジュールの製造を担当

Gatewayはアメリカ主導の有人月探査計画「Artemis(アルテミス)」で中継拠点として建設される予定の宇宙ステーションで、アメリカ航空宇宙局(NASA)の他に欧州宇宙機関(ESA)、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、カナダ宇宙庁(CSA)、それにMBRSCが参加しています。

2025年2月時点でGatewayは1つの推進モジュールや4つの与圧モジュールなどから構成される予定で、MBRSCはそのうちの1つであるエアロックモジュールを提供する契約をNASAとの間で2024年1月に締結していました。MBRSCによればエアロックモジュールは全長10m・幅4m、重量10トンで、宇宙飛行士用のエアロックと実験装置等の出し入れに使用するエアロックの2つを備えている他に、宇宙船や補給機などが利用できるドッキングポートも1つ備えられます。

月周回有人拠点「Gateway(ゲートウェイ)」の構成要素やドッキングした宇宙船・着陸船・補給機を示した図(Credit: ESA–K. Lochtenberg)
【▲ 月周回有人拠点「Gateway(ゲートウェイ)」の構成要素やドッキングした宇宙船・着陸船・補給機を示した図(Credit: ESA–K. Lochtenberg)】

今回MBRSCとThales Alenia Spaceが締結したのは、このエアロックモジュールの設計・開発に関する契約です。3つの与圧モジュールと通信機器モジュールに続き、Thales Alenia SpaceにとってGatewayのモジュール開発に関わるのは今回の契約が5件目となります。同社によれば、ミッションコンセプト審査、システム要件審査、予備設計審査が2025年のうちに予定されているということです。

 

Source

  • Thales Alenia Space - Thales Alenia Space signs a contract with Mohammed Bin Rashid Space Centre to develop the Emirates Airlock Module, a critical element of Lunar Gateway

文・編集/sorae編集部