米スペースX社は1月12日、18日に打ち上げを予定している「ファルコン9」ロケットの静的燃焼試験を完了した。試験結果に大きな問題は見られず、打ち上げに向けて青信号が点った。
静的燃焼試験は打ち上げの数日前に、ロケットに実際に推進剤を充填するなどし、打ち上げまでの手順を確認すると共に、最後に第1段ロケット・エンジンを少しだけ噴射し、エンジンや射場設備の状態を確認するためのもので、同社のロケットにとって打ち上げ前の慣例となっている。
同ロケットの打ち上げ日時は現時点で、太平洋標準時1月17日10時42分18秒(日本時間1月18日3時42分18秒)に設定されている。打ち上げは米カリフォーニア州にあるヴァンデンバーグ空軍基地から実施される。
ファルコン9は前回、昨年末に行われた打ち上げで、第1段機体を発射台に程近い地上に着陸させることに成功しているが、今回は海上に浮かべた船の上に降ろすことが計画されている。
この場合、設備の整った地上施設ですぐに点検や修理などができるという利点はあるものの、第1段機体は第2段との分離後、上空で反転し、それまで飛んできた飛行経路を戻るようにして飛ぶ必要があり、その分多くの推進剤を積まなくてはならない。
しかし、分離後の機体が落ちていく先に回収用の船を配備しておけば、着地・回収に必要な推進剤は少なくて済み、その分打ち上げ能力の向上に充てることができる。また船自体に点検や修理のための設備を積んでおけば、陸まで戻る時間で整備を行ったり、そのまま船上から再打ち上げを行うことも可能になる。
同社では、海上のある地点にとどまり続けることができる無人の船(ドローン船)を建造し、すでに運用している。昨年1月と4月には実際にその船への着地にも挑んでいるが、船のすぐ真上にまでたどり着くことはできたものの、着地そのものには失敗している。
スペースXはロケットの低コスト化を狙い、機体を再使用するための開発や試験を数年前から続けている。
Image Credit: SpaceX
■SpaceXさんはTwitterを使っています: "Full-duration static fire complete at our California pad. Preliminary data looks good in advance of Jason-3 launch. https://t.co/sBi5hdkcef"
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