【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)
(引用元:sorae 宇宙へのポータルサイト)
こちらは、はくちょう座の方向約1300光年先に位置している白色矮星「ZTF J203349.8+322901.1」の想像図です。soraeでは、2023年7月25日の記事で紹介しています。(本記事の内容は当時の研究発表をもとにしています)
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カリフォルニア工科大学(Caltech)の研究チームは、表面の片側が水素、もう片側がヘリウムで構成されている白色矮星「ZTF J203349.8+322901.1」を発見しました。
ケック天文台の望遠鏡を用いた分光観測データによると、約15分周期で自転するこの白色矮星は、片側が地球に向いているときには水素が検出され、その反対側が向いているときにはヘリウムだけが検出されたといいます。
つまり、この白色矮星の表面は片側が水素、もう片側がヘリウムでできていることになります。この異常な二面性は、磁場の非対称性や大気の圧力変化によるものと考えられています。研究チームはこの白色矮星を、ローマ神話の二面性の神ヤヌスにちなんで「ヤヌス」と名付けました。
研究によると、白色矮星は進化の過程で軽元素が上層に浮かび、冷却とともにヘリウムが増える可能性があります。今回の発見は、その進化過程の一段階を捉えているとされています。
白色矮星とは
白色矮星は、主系列星が燃料を使い果たした後に残る非常に高密度で小型の恒星の残骸であり、もはや核融合を行わず、徐々に冷却しながら光を放ち続けます。
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編集/sorae編集部