
(引用元:NASA)
こちらは、2021年5月27日に公開された、NASAのチャンドラX線観測衛星と南アフリカの電波望遠鏡「MeerKAT(ミーアキャット)」(※)のデータを組み合わせて作成された「天の川銀河中心部」の画像です。横幅は約1000光年、縦幅は約2000光年に相当し、X線はオレンジ、緑、青、紫の4色で異なるエネルギー帯を、電波は薄紫と灰色で表現された疑似カラー画像となっています。
※…MeerKATは単一の巨大な望遠鏡ではなく、64台のパラボラアンテナを連動させて一つの大きな望遠鏡として機能させる「電波干渉計(電波望遠鏡群)」です。

この画像は、チャンドラが1999年から2019年までの約20年間に実施した370回の観測(合計約65日分の露光時間)を繋ぎ合わせて作られています。従来のチャンドラの観測よりも銀河面の上下方向に広い範囲をカバーしており、銀河中心で起きている現象の全体像を捉えています。
いっぽう、電波のデータを担っているのが「MeerKAT」です。64台のアンテナを連携させ20地点を合計約200時間かけて観測し、約6平方度(満月約30個分)の領域をカバーしました。可視光では星間ダストに遮られて見えない銀河中心部も、電波は透過して届くため、MeerKATはチャンドラのX線では捉えにくいフィラメント状構造や超新星残骸の詳細な姿を補っています。
画像の中央やや左にある明るい領域が「いて座A」で、太陽の約400万倍の質量を持つ超大質量ブラックホール「いて座A*(いてざ・えー・すたー)」を含む強い電波源です。地球からの距離は約2万6000光年。その周囲にはX線で輝く高温ガスや、多数の点状X線源(中性子星、白色矮星、小さなブラックホールなど)が散在しています。
よく見てみると、銀河面に対して垂直に伸びる細長い「糸」のような構造が無数に存在していることがわかります。その一つである「G0.17-0.41」と名付けられた糸状構造は、異なる方向を向いた磁力線同士が衝突して絡み合う「磁気リコネクション(磁力線再結合)」によって形成されたと考えられています。磁気リコネクションは、太陽フレアや地球に影響を及ぼす宇宙天気の原因としても知られている現象です。
編集/sorae編集部
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参考文献・出典
- NASA - Magnetized Threads Weave Spectacular Galactic Tapestry
- Chandra Photo Album
- Wang, Q.D., 2021, MNRAS, 504, 1609
- Chandra - X-ray & Radio Images of our Galactic Center










