X線と電波で捉えた銀河系の中心
私たちの銀河系の中心部は地球から見ていて座の方向、約26,000光年離れた場所にあります。この画像はその中心部をX線と電波で観測したもので、画像の緑と青で着色されているところはNASAのX線観測衛星「チャンドラ」が捉えたX線、赤いところは過去の記事でも紹介した南アフリカ電波天文台(SARAO)の電波望遠鏡「MeerKAT」が観測した電波です。この画像からは銀河系の中心部が高いエネルギーを持つX線と低いエネルギーを持つ電波の両方で輝いていることがわかります。

画像の中央やや右にある非常に明るい部分が「いて座A」と呼ばれ、銀河系の中心にある超大質量ブラックホールを含む強い電波源です。いて座Aの周辺には高温のガスがX線で輝き、フィラメント状の電波源も数多く見えます。また多くの星や、中性子星や白色矮星といった高密度の星、さらには数多くの小さなブラックホールまでもが「いて座A」の周囲を回っており、いて座Aの周辺に見える点状のX線源のうちいくつかは小さなブラックホール(正確には、その付近にあるガス)を示しています。

冒頭の画像の全体像が下のものですが、実際の画像ファイルは本記事に収まりきらないほど巨大です。NASAのウェブサイトにはオリジナルの画像(約2メガバイト)がありますので、表示に少し時間がかかるかもしれませんが可能な方は見てみてください。点状のX線源までくっきりと見える、迫力ある画像になっています。

銀河系中心といえば、昨年「ブラックホールの直接撮影」として大きな話題になった「イベント・ホライズン・テレスコープ」も観測していた場所です。M87よりも観測データの解析が難しいとされ、まだその姿は描き出されていませんが、今後の発表が楽しみですね。

 

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Image Credit: X-Ray: NASA, CXC, UMass, D. Wang et al.; Radio: NRF, SARAO, MeerKAT
Source: NASA
文/北越康敬

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