20万光年先の宝石箱 ハッブル宇宙望遠鏡が観測した星団「NGC 346」

こちらは「きょしちょう座(巨嘴鳥座)」の方向約20万光年先の散開星団「NGC 346」の一部を捉えたものです。NGC 346は天の川銀河の衛星銀河(伴銀河)のひとつである「小マゼラン雲(Small Magellanic Cloud: SMC)」にあります。

ハッブル宇宙望遠鏡(HST)の広視野カメラ3(WFC3)で観測された散開星団「NGC 346」の一部(Credit: ESA/Hubble & NASA, C. Murray)
【▲ ハッブル宇宙望遠鏡(HST)の広視野カメラ3(WFC3)で観測された散開星団「NGC 346」の一部(Credit: ESA/Hubble & NASA, C. Murray)】

ハッブル宇宙望遠鏡の鋭敏な目が捉えた小マゼラン雲の宝石箱

この画像は「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope: HST)」の「広視野カメラ3(WFC3)」を使った観測データをもとに作成されたもので、“ハッブル宇宙望遠鏡の今週の画像”としてESA=ヨーロッパ宇宙機関(欧州宇宙機関)から2025年3月17日付で公開されました。

画像の一辺の長さは地球から見た満月の直径の10分の1以下に相当します(視野は2.64×2.69分角)。赤色を中心とした星々が無数に散りばめられた光景は、まるでルビーやガーネットでいっぱいの宝石箱を思わせます。その狭い視野を埋め尽くす星々の輝きに圧倒されそうになると同時に、間もなく打ち上げから35周年を迎えるハッブル宇宙望遠鏡の感度の高さを改めて実感させられます。

 

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

関連記事

参考文献・出典

  • ESA/Hubble - Colourful clouds of a nearby neighbour