入れ子グラバスター「ネスター」を理論的に発見 重力理論の “マトリョーシカ人形”
【▲図: 今回の研究で予言されたネスターは、グラバスターの入れ子構造となっています。 (Image Credit: Daniel Jampolski & Luciano Rezzolla, Goethe-Universität) 】

「ブラックホール」は現代物理学が破綻する領域であるため、それを回避するための理論的な提案がいくつも出されています。代表的な回避策の1つは「グラバスター(Gravastar)」です。

ライプツィヒ大学理論物理学研究所のDaniel Jampolski氏とLuciano Rezzolla氏は、「アインシュタイン方程式」を解くことで現れるグラバスターについて研究し、「グラバスターの中にグラバスターがある天体」が存在可能であることを示しました。この入れ子構造は何重にも可能であるため、両氏はこの天体を「ネスター(Nestar)」と名付けました。

ネスターが実際に存在するかどうかは分かりませんが、この研究結果は重力に関する数学的な視野を広げることに繋がるでしょう。

今回の研究で予言されたネスターは、グラバスターの入れ子構造となっています。 (Image Credit: Daniel Jampolski & Luciano Rezzolla, Goethe-Universität)
【▲図: 今回の研究で予言されたネスターは、グラバスターの入れ子構造となっています。 (Credit: Daniel Jampolski & Luciano Rezzolla, Goethe-Universität)】