8月、昼の熱気が夜まで残り、寝苦しい日が続いていますね。

そんな時季ですが、星空を見上げれば白い3つの一等星からなる「夏の大三角」や淡い光の帯「天の川」が見られます。その清々しい輝きは、蒸し暑さの中に吹く一筋の涼風のようです。

夏の大三角を構成するのは、こと座の「ベガ」、わし座の「アルタイル」、はくちょう座の「デネブ」です。

ベガは夏の大三角の中で最も明るい星で、名前の意味は「降りている鷲」です。こと座はギリシャ神話に搭乗する琴の名手オルフェウスもしくはアリオンの琴であると語られています。

アルタイルはベガと対になる名前で、意味は「飛ぶ鷲」です。わし座はゼウスが変身した黒鷲の姿が描かれた星座です。

ご存知のように、ベガとアルタイルは七夕の「職女星(織姫)」と「牽牛星(彦星)」でもあります。東洋でも西洋でもこの2つの星を対として捉えているのは興味深いところです。

デネブは大三角の中で最も暗い星ですが、これは地球から1400光年という遠く離れたところにあるためです(ベガは25光年、アルタイルは17光年離れている)。21個の一等星の中では最も遠いものの、絶対等級(※1)は一等星の中で第2位(マイナス6.9等)(※2)を誇ります。

デネブは「しっぽ」という意味で、その名の通りはくちょう座の尾に当たる位置で輝いています。この白鳥もまたゼウスが変身した姿です。ゼウスは地上に降りるため、様々な姿に変身すると神話では語られています。

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そんな夏の大三角を貫くような形で、今の時期は北東から南にかけて天の川が伸びています。アウトドアで山や海など街明かりのない場所に出かける機会があったら、夏の大三角を目印に天の川も探してみてください。

2023年8月に見やすい惑星は土星と木星です。特に土星は8月27日に衝となり、観測の好機を迎えます。木星は深夜になると東の空に上ります。

【▲ 2023年8月中旬21時頃の東京の星空(Credit: 国立天文台)】

※1…絶対等級:天体を10パーセク(32.6光年)の距離から見た時の等級。天体本来の明るさを評価する際に用いる。
※2…Wikipedia「明るい恒星の一覧」より

2023年8月の天文情報

●ペルセウス座流星群極大

2023年8月13日16時頃、ペルセウス座流星群が極大(※3)となります。

今回は極大と実際に見られる時間帯(深夜~明け方)がずれているので時間的な条件は良くありませんが、月は新月前で細く、月明かりの影響が少ないため、総合的にはまずまずの当たり年といって良いでしょう。

【▲ 2023年 ペルセウス座流星群と放射点(Credit: 国立天文台)】

観測におすすめの日時は8月13日の深夜から14日の明け方にかけてです。14日の明け方には、空の暗い場所では1時間に35個程度、市街地では1時間に4個程度の流れ星が見られると予想されています。

上記の時間帯ではペルセウス座は北東の空に見えますが、流星群の流れ星は放射点(今回の場合はペルセウス座にある)を中心に空全体へ広がるように流れます。流星群の観測では名前になっている星座が見える方角に注目したくなるかもしれませんが、空を広く見渡した方がたくさんの流れ星を見られるでしょう。

観測は車道や水路から離れた安全な場所で行ってください。また、意外と厄介なのが「蚊」です。虫よけスプレーや携帯型の蚊取り線香なども備えて、夏の流れ星を安全・快適に楽しみましょう。

※3…流星群が最も活発になること、またはその時期。

 

●土星が衝を迎える

2023年8月27日、土星が衝を迎えます。衝とは、惑星(外惑星)が地球から見て太陽のちょうど反対側に来る瞬間のことです。衝の頃の惑星は特に明るく、また一晩中見られることから、観測するには最も良い機会となります。

2023年8月27日の土星はみずがめ座の方角で0.4等級(※4)程度の明るさになります。周辺に明るい星が少ないので良く目立つでしょう。望遠鏡を持っている人は、土星の美しい環を観測するのもおすすめです。

【▲ 惑星の「合(内合・外合)」や「衝」などの解説図(Credit: 国立天文台)】

※4…国立天文台 曆計算室「今日のほしぞら」より

 

●スーパームーン(一年の中で最も地球に近い満月)

2023年8月31日の満月は、今年最も地球に近い満月です。このような満月は「スーパームーン」と呼ばれることもあります。天文用語ではありませんが、「見てみたい!」と思わせるインパクトのある名称です。

このように月と地球の距離が変わるのは、月が楕円軌道を描いて地球の周りを公転しているからです。今年最も遠い満月である2023年2月16日の満月と比べると、今回の「スーパームーン」は見かけの直径が14%大きくなっています。月を2つ並べて観測できるわけではないので大きさの違いは実感できないかもしれませんが、天気に恵まれたら是非ご覧になってみて下さい。

【▲ 2023年 満月の距離と見かけの大きさの違い(Credit: 国立天文台)】

 

Source

文/sorae編集部

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