ハッブル・ウルトラ・ディープ・フィールド(2014)(Credit: NASA, ESA, H. Teplitz and M. Rafelski (IPAC/Caltech), A. Koekemoer (STScI), R. Windhorst (Arizona State University), and Z. Levay (STScI))

こちらは、2014年に公開された「ハッブル・ウルトラ・ディープ・フィールド(2014)」(Hubble Ultra Deep Field (2014)、以下「HUDF 2014」)です。南天の「ろ座」(炉座)の一角を「ハッブル」宇宙望遠鏡が撮影したこの画像には、138億年前のビッグバンから数億年程度しか経っていない時代のものも含めて、およそ1万もの銀河が写っています。

このHUDF 2014を「音」に変換して1分間ほどの短い動画にまとめたものが、アメリカ航空宇宙局(NASA)のゴダード宇宙飛行センターから公開されています。天の川銀河の恒星を皮切りに、HUDF 2014に写っている銀河を地球に近いものから順番に表示しつつ、そのタイミングで音を鳴らすというシンプルなものですが、およそ130億光年という途方もない奥行きを視覚と聴覚の双方で感じることができます。

▲Sonification of Hubble Ultra Deep Field (2014)▲
(※1 Billion Years=10億年)

地球上では一瞬で届くように感じるも、実際には秒速およそ30万kmという限られた速度で進みます。天文学で用いられる「光年」という単位は、光が1年間に進む距離をもとに定められています。

そのため、10億光年先の銀河から届いた光は、今から10億年前にその銀河から放たれた光ということになります。100億光年先の銀河であれば、100億年前の姿を見せていることになるわけです。この動画は、HUDF 2014の銀河を地球に近いものから遠いものまで距離順に示すとともに、130億年という時間の流れをさかのぼりながら各時代の銀河の姿を示していることになります。

関連:天の川銀河を旅する動画で天文学の基本単位「光年」を実感してみよう

なお、音に変換された天体の画像は、X線観測衛星「チャンドラ」の管制を担うスミソニアン天体物理観測所のチャンドラX線センターからも幾つか公開されています。こちらの動画では、チャンドラやハッブルが撮影した天の川銀河の中心方向超新星残骸「カシオペヤ座A」わし星雲の「創造の柱」の画像から変換された音色を楽しむことができます。

▲A Quick Look at Data Sonification: Sounds from Around the Milky Way▲

関連:天体を“聴く” 宇宙望遠鏡の観測データを「音」にするプロジェクト

 

※記事中の距離は天体が発した光が地球で観測されるまでに移動した距離を示す「光路距離」(光行距離)で表記しています(参考:遠い天体の距離について|国立天文台

Image Credit: NASA, ESA, H. Teplitz and M. Rafelski (IPAC/Caltech), A. Koekemoer (STScI), R. Windhorst (Arizona State University), and Z. Levay (STScI)
Sonification Credit: SYSTEM Sounds (M. Russo, A. Santaguida)
Source: ゴダード宇宙飛行センター / STScI
文/松村武宏

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